今年5月、ソウル市松坡区でランニングクルーと高齢者が衝突する事故も発生した。これを受け、地方自治体は取り締まりに乗り出した。松坡区は最近、石村湖の遊歩道に「3人以上のランニングは自制」と書かれた横断幕を設置し、「ランニングは1列で行うこと」という案内放送を開始した。ソウル市城北区も「右側走行、1列で」と書かれた横断幕を掲げた。京畿道華城市は、東灘湖公園の遊歩道にランニングクルーの出入りを自制するよう勧告した。華城市の関係者は「散歩する市民からの苦情があまりにも多いため下した措置」と理由を語った。
新村一帯で活動するランニングクルー「ランナース」のコ・ドンヒョン会長(25)は本紙の電話取材に対し「隊列を5、6人の小グループに分けたり、速度や隊列を管理する責任者を選出したりするなど努力している」と話す。啓明大学交通工学科のド・ウソク教授は「ランニングクルーのためのランニング専用道路を別に設けたり、苦情が頻発している地域は特定の時間帯に集団ランニングを規制したりする案も検討する必要性がある」と指摘する。ソウル市が昨年から進めている「7979ソウル・ランニングクルー」も、やはり市民への被害が発生しないよう別途の進行要員を配置する。通行量が多い狭い道路や横断歩道を通る際は、速度を落として歩くようにする。
一部のランニングクルーが各種マラソン大会に「カッコウ参加」をするのも問題とする声もある。カッコウが他の鳥の巣に卵を産んで子を育てるようにする托卵(たくらん)行為になぞらえたこの造語は、参加費を支払わずに大会の主要路に無断で進入して共に走る行為をいう。マラソン大会の参加者が支払う数万ウォン(数千円)の参加費は、道路交通の統制など大会運営に使われる。ところが、一部のランニングクルーがあたかも無断飲食するかのように「カッコウ参加」するのは厳然たる業務妨害であるが、依然として収まる気配が見られない。
今年4月の大邱マラソン大会の定員は2万5000人。ところが参加者は3万人ほどだった。無断参加者5000人のうち、相当数がランニングクルーの会員だったというのが主催者側の説明だ。大邱マラソン協会のアン・ヒョジン事務総長(47)は「若いランニングクルーが増え、カッコウ参加という問題が浮上している」とし「ランニングクルーの間でカッコウ参加が一種の文化のように広がっているのではないか」と懸念する声が聞かれた。
ソ・ボボム記者