7月23日午後8時、ソウル市瑞草区の潜水橋。約3メートルの狭い歩道を「ランニングクルー(走友会)」の会員約10人が所狭しと走っていた。散歩する市民を見掛けても、スピードを落としたり、隊列を変えたりはしなかった。歩行者は彼らを避けて車道に出たり、すれ違いざまに肩がぶつかったりもした。ソウル市竜山区の住民カンさん(28)は「走る人たちとぶつかるのを恐れて、ガードレールのない車道に出たのは一度や二度ではない」という。
【写真】横断歩道、車道の真ん中で自撮りする走友会メンバーたち
ソウルの都心を群れをなして走るランニングクルーはここ1、2年で2030世代(20代と30代)を中心に圧倒的な人気を集めている。ソウル市が主催した「7979(午後7時から9時まで友人と走る)ソウル・ラーニングクルー」の参加者数は昨年5月に329人だったものの、今年5月には898人へと増えた。だが、最初は「ホットなMZ(1980-2010年生まれ)文化」と思われていたランニングクルーが、最近では通行を妨害したり騒音を誘発したりする「迷惑族」と化している、と指摘する声が上がっている。ソウル市城北区の関係者は「2022年まで0件だったランニングクルー関連の苦情が最近殺到している」と悩みを明かす。
ランニングクルーは、ランニングを共にするだけではなく、道路の真ん中や横断歩道、交通島などで「記念写真」を撮っている。これに対し市民たちは「道路を町内のジムと勘違いしないでほしい」と不満を爆発させる。上半身裸で走ったり、歩道や横断歩道を占有したりするケースもある。「なぜ数十人ずつ群れをなして都心を走らなければならないか」と指摘する声も聞かれる。
漢江をはじめ、清渓川や中浪川、安養川、良才川、炭川など支流の河川を一人で走るランナーの目にも、ランニングクルーは芳しくないようだ。一人で走るランナーを見掛けたランニングクルーは、数十人が「前方ランナー!」と叫んだりする。ソウル市中区の清渓川を主に走っているイさん(32)は「その叫び声がまるで道を空けろと言わんばかりの脅威として感じられることもある」とし「耳が痛くなるほど大音量で音楽を流すのも問題」と指摘する。ランニング6年目のユン・スンヒさん(36)は「一部のランニングクルーは、自分たちの走路を確保するために1人でマラソンする人たちを押しのけたり、写真撮影者を伴って走ることもある」という。