「ひとり酒場で 飲む酒は~♪」 韓国のテレビ番組で日本語の歌、「タブーの壁」が崩れた

■韓国の10-20代がリードする日本文化の消費

 日本文化を最も積極的に消費しているのは10-20代という韓国の若い世代だ。日本の人気アニメ『推しの子』の主題歌『アイドル』などを歌っている日本の人気グループYOASOBI(ヨアソビ)は昨年、音楽専門チャンネルMnet(エムネット)を代表する番組『M Countdown(エム・カウントダウン)』に出演し、爆発的な人気を博した。彼らが歌った歌はユーチューブでたった数週間のうちに1000万回を上回る再生回数を記録、『推しの子』の登場人物をまねるチャレンジにはK-POPガールズグループIVE(アイヴ)のウォニョンや、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)のホン・ウンチェなども参加するほど人気だった。

 韓国の若い世代は主にTikTok(ティックトック)やApple Music(アップル・ミュージック)などを通じてさまざまな音楽を聞いている。昨年は日本人歌手imase(イマセ)が韓国最大の音楽配信チャート「Melon(メロン)」で17位になるなど、日本人歌手としては初めてトップ100入りを果たした。

 大衆文化評論家のイ・ムンウォン氏は「若者層が消費する大衆文化はサブカルチャー(下位文化)とされ、主流文化に反抗しながら成長するものだ。これまで(韓国では)国民感情的におのずとその水準が調整されてきた。しかし、『ノージャパン運動(日本製品不買運動)』などにより一方的に押さえつけられると、それがかえって反発を招き、消費が急増したという面もある」と分析している。

■「Kカルチャーが世界的人気呼び、日本に対して文化的警戒心を持つ理由なくなった」

 「今やK-POPが世界的に流行している中、韓国の視聴者たちの間で日本文化はタブーの要因にはならない」という見方もある。韓国放送界の事情に詳しいある関係者は「10-20代が主導するK-POPアイドルグループが既に米国のビルボードチャートの上位を占領しているので、韓国の若者たちは文化的な自信が強い。いわゆる『倭色』文化に韓国文化が蚕食されるという認識を持つ余地はない」と語った。

 日本のエンターテインメント業界も積極的に韓国にアプローチしている。TV朝鮮と番組提携を結んでいる日本のNTTドコモ・スタジオ&ライブの山地克明代表取締役副社長は「日本の文化消費市場は大きいが、海外を狙った動きでは、大型化する韓国に比べて個別的で小規模だ。最近はK-POPをはじめ韓国ドラマなどが世界市場に広まっている。韓国と手を取り合うことが海外市場に進出する近道だとの評価もしている」と述べた。

【参考】韓国における日本大衆文化開放

 1965年の韓日国交正常化後も閉ざされ続けていた日本大衆文化の流入を公式に認めた措置。 1998年の金大中(キム・デジュン)政権で段階的に実施され、2004年から映画・音楽アルバム・ゲーム・出版などが全面開放された。しかし、最近まで日本の歌を番組で歌うことはタブー視されていた。

崔宝允(チェ・ボユン)記者

【写真】 『推しの子』の登場人物と同じポーズをするIVEウォニョン

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