再び今年3月を振り返る。調査発表翌日の3月29日午前8時半、ユーチューブのライブ配信で左派系ジャーナリストの金於俊(キム・オジュン)氏が「竜山区でなぜ権寧世(の数値)が高く出るのか。この世論調査会社は何なのか」と反発した。同日の午前11時、PMIのオフィスに世論調査審議委の職員が訪れ、竜山区のデータを要求し、全面的な調査が始まった。李来栄(イ・ネヨン)世論調査審議委員長は4月1日、メディアに対し、「結果の値も他の調査と大きく異なる。そんなに違うはずがあるのか。いくらモバイル・ウェブ調査でも問題がある」と発言した。関係機関の職員が「推移というものがあるのに、なぜあなたの調査だけが大当たりするのか。いらつく」と語ったという話も漏れる。世論調査分野の専門家であるA教授は「それでもこの方式が最も信頼できる。 世論調査審議委が電話調査時代の基準を固守し、新しい技法を受け入れられずにいる」と指摘した。
今年1~3月に実施された選挙世論調査781件のうち286件(37%)、総選挙の世論調査1996件のうち393件(20%)を金於俊氏が設立した世論調査会社「コッ(花)」が行った。件数は圧倒的トップだ。彼らが言う「他社とは違う」とは、もしかして金於俊氏の調査とは違うという意味なのだろうか。他社と違ったから劣勢となり、それで難癖をつけたということなのか。
記者は「金於俊式世論調査」が実際には「世論形成」が目的だったと考えている。李在明(イ・ジェミョン)系の候補がいる選挙区で「親李在明系」を含めて調査を発表し、その候補をユーチューブに出演させて支援した。金於俊氏の鮮明な支持傾向やメディアを利用した世論拡散、特定人物を浮上させる行為だ。選挙法に抵触しない「実効的な世論工作」と言える。
文在寅(ムン・ジェイン)政権が任命した盧泰嶽(ノ・テアク)中央選管委員長、盧氏が任命した李来栄・世論調査審議委員長の公正性はしばしば疑われてきた。手続き上の誤りによって、裁判でPMIに対する「罰金100万ウォン以上」の刑が確定すれば、今後政治世論調査ができなくなる。市場はそれを「警告」と解釈するだろう。「正確性は二の次だ。顔色をうかがえ。金於俊と違えば大変なことになる。民主党に目を付けられたら死ぬ」――。それが選管の意図ではないと信じたい。
朴垠柱(パク・ウンジュ)記者