「明白な盗作」vs「受賞を取り消すほどではない」…蔚山の美術展で選考巡り論争激化

蔚山民芸総や専門家らは「明白な盗作、後続の対策を打ち出すべき」
蔚山美術協会「再審査したが盗作と断定し難い」

 パン氏は「最近のアーティストの創作環境は昔とは違っており、盗作かそうでないかについての基準が鮮明だった昔とは違っている部分は、明らかにある」「インターネット上のイメージを使うことについて、特別な問題意識を感じないケースもある」としつつも「出典がないイメージをそのまま持ってきて作品を作っていたら、盗作や著作権侵害になることもあり得る。実際、オンラインのイメージを使って問題になったアーティストもおり、使用に留意すべき」と語った。

 しかし、蔚山美術協会は「受賞を取り消すほどの明確な盗作とは見なし難い」という立場を取った。

 蔚山美術協会は23日、協会ホームページに載せた「第28回蔚山美術大展運営委員会の結果」と「美術大展審査委員会議」という記事で「問題になった各受賞作を2度再審査して、運営委員会の討論も行ったが、受賞を取り消すほどの盗作だという客観的根拠がない、という結論を下した」と表明した。

 この記事で審査委員らは「絵画の造形や構図は同じに見え、全体の印象で見ると類似の部分が多く見える」としつつも「細部の描写において各受賞作は、面を断ち色を再解釈したり、部分的に組織を解釈したりする点で個人の創意が見えるなど、再現的美術の観点から創作が入っているとみられる」と表明した。また「一部作品の場合、元の写真の形態に見当を付けることができず、盗作と見るにはあいまいな部分もある」と述べた。

 受賞を取り消すかどうかについても「純粋創作美術の盗作、模倣などについては法的根拠がなく、受賞取り消しの論拠が足りない」とし「断定的な結論で受賞を取り消したら蔚山美術協会が法的責任を負うことになりかねず、被害者も生じかねないので、賞を取り消すのは無理がある」とした。

 蔚山美術協会のキム・ボンソク会長は「審査委員や運営委員は、盗作論争が起きたことには十分共感した」としつつ「だが、アーティストが参考にしたピンタレストのイメージの場合、世界に数億枚のイメージがあるというのが事実」と語った。

 キム会長は「私どもの職員が数日間、問題が提起された諸作品の元のイメージをこのサイトで探してみたが、原作者の著作権などを確認できなかった」とし「加えて、明白に盗作や著作権侵害だと見なし難い部分があり、急変する現代美術の特性上、盗作かどうかについての判断を下すのは容易ではなく、受賞取り消しもしないことにした」と伝えた。

 なお、キム会長は「今後同様の事件が生じた際に盗作や著作権侵害になりかねない作品を審査から除外することができるさまざまな方法を考究していく」とコメントした。

蔚山=キム・ジュヨン記者

【Photo】ピンタレストの画像とそっくり? 話題の入賞作品

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