ダイソンを追い出した中国家電「チャイソン」、コスパ・品質を武器に大攻勢

 ワイヤレス掃除機、羽なし扇風機など革新的な家電製品を開発してきたダイソンが、英国で従業員の3分の1近くを削減することを決めた。ダイソンを模倣しながらも価格が安い中国製品「チャイソン(チャイナとダイソンの造語)」が中国だけでなく全世界の市場に食い込み、ダイソンを危機に追い込んだと分析されている。中国製家電はロボット掃除機など一部品目で「コストパフォーマンス製品」のみならず、ハイエンド(高価格)市場まで掌握している。

【グラフィック】ロボット掃除機・ワイヤレスイヤホンの韓国市場シェア

 英フィナンシャル・タイムズ(FT)などは、ダイソンが英国で従業員の約3分の1に相当する約1000人を削減すると報じた。今回の人員削減はそれにとどまらず、全世界1万5000人を対象にする人員再編の一環だ。

■似た性能で価格は3分の1

 海外メディアはダイソンによる人員削減の理由として「チャイソン」を挙げた。FTはダイソンにとって最大の市場はアジアだと指摘した上で、「そこでダイソンは自分たちが作った商品の発売直後、似たような商品を生産する現地企業と競争することになる」と指摘した。ハンノ・キルナー最高経営責任者(CEO)は「ダイソンは革新と変化のペースがますます速まる競争が激しいグローバル市場で事業を展開している。雇用縮小は常に非常に苦しい決断だ」と説明した。

 ダイソンは2013年、中国市場に進出後、現地市場を席巻した。中国紙・人民日報によると、ダイソンのワイヤレス掃除機は2018年にシェアが61%まで高まった。しかし、ダイソン製品を模倣した中国製の低価格掃除機を買い求める人が増えた。ダイソン製品より性能が劣っても価格が10分の1にすぎないため、中国だけでなく、韓国でも海外通販で中国製品を選ぶ消費者が増えた。

 価格比較サイト「タナワ」によれば、現在韓国で最も売れ筋のダイソン製品「サイクロンV10」は最低価格が約40万ウォン(約4万6000円)。この製品と形状が似ている中国・ディベア(Dibea・蘇州地貝電器科技)の製品(TSX-25000A)は17万ウォン、シャオミ(小米)のM22は15万ウォンだ。模倣品はコードレス掃除機だけではない。最低価格65万ウォンのダイソン「エアラップ」を模倣したような製品は最低価格2万ウォンで売られている。

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