■世界の決済市場を侵食する人民元
ソ・ボンギョ教授は「中国が人民元の国際化のために構築した独自の人民元決済システムは、従来のドル決済より安い為替手数料を競争力としてサービスを提供しているが、これは中国系ECの価格競争力を高める要因の一つになっている」と話した。
-中国系ECの世界的成長は元の国際化と関係があるのか。
「人民元の国際化が進み、中国系ECは安価で国際決済を行うことが可能になった。中国人民銀行は2015年、人民元建ての国際決済システムである『CIPS』を構築したが、このシステムは既存のドル中心の国際決済システムに比べ為替手数料面で競争力がある。銀行や大企業は従来のように『SWIFT (スイフト)』を利用したドル決済を好むが、小額のECでは手数料などを節約するため、中国が構築したか、中国企業が中心となっている国際決済ネットワークを好む。人民元の国際化が中国系ECの国際化をけん引しているのだ」
-中国は国際決済業者も買収した。
「代表的なのは、2019年にアリババが英系決済業者ワールドファーストを買収したことだ。英国の欧州連合(EU)離脱で英フィンテック企業が経営が難しくなると、電撃的に買収した。ワールドファーストを利用すれば銀行口座がなくても電話番号さえあれば安価で国際送金が可能だ。手数料は銀行に比べ最大50%以上安い。中国の人民元決済システムに抵抗感がある消費者もワールドファーストという名前でアプローチすると喜んで利用する」
-国際決済業者の利用はどれほど増えているのか。
「韓国はクレジットカードが優先だが、世界のトレンドは違う。韓国のカカオペイのようなモバイルウォレットで国際決済を行う割合が50%を超える。モバイルウォレット市場では米ペイパルが最大手だが、中国のアリペイ、ワールドファーストなどもシェアを拡大している」
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者