「中国AliExpress・Temu・SHEIN、東南アジア・南米を取り込んで米国勢と世界市場を二分」(下)

■韓国が中国系ECと競争するには

-中国系ECは韓国EC市場を掌握するのか。

 「中国のECプラットフォームに対する信頼がカギだ。1万ウォン以下の中・低価格商品は買っても、100万ウォン、200万ウォンの商品を中国系ECで買えるのかという問題だ。また、韓国はオーダーメード広告に対する規制が厳しい。中国系ECは海外でオーダーメード広告で成長したてきたが、韓国では消費者のデータを使い、オーダーメード広告を行うことはできない。そうした競争力は韓国では通用しないということだ。そのため、韓国市場を中国のECプラットフォームが掌握するのは難しそうだ。 ただ、韓国地場プラットフォームの収益基盤が脆弱で崩壊すれば、東南アジアのように中国資本に取って代わられる可能性があることの方が大きな問題だ。すでにカカオ、トスなどに中国資本が入っている」

【グラフィック】韓国における海外通販利用割合の推移

-中国系ECは米国を制圧できるか。

 「米中は消費者に自国のプラットフォームだけを使わせるわけにはいかない。障壁を構築してECを強制的に阻止ことも不可能だ。消費者はそんなことを容認しないだろう。中国系ECは米国が世界標準を掌握する前に、当面は損をしても海外進出に力を入れて、市場を十分に確保しようとしている。中国系ECは東南アジアと南米を中心に世界のEC市場を米国と二分することを目標にしているようだ。今後技術標準の導入を巡り、米中の戦いは続くだろう。話は少しずれるが、中国がQRコード決済を推進。米国がアップルペイが使える近距離無線通信(NFC)を推進していることに似ている」

-韓国はどんな対策を立てればよいか。

 「ボーダーレスで繰り広げられる国際Eコマースで中国だけをターゲットに規制することは不可能だ。米中間のECプラットフォーム戦争で韓国が立場を維持するためには、国内企業のイノベーションを阻む行き過ぎたオーダーメード広告規制などを緩和し、技術競争力を育成する方向に進むべきだ」

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  • ▲同徳女子大グローバル地域学部のソ・ボンギョ教授/チョン・ギビョン記者
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