「中国AliExpress・Temu・SHEIN、東南アジア・南米を取り込んで米国勢と世界市場を二分」(上)

■中国系ECの競争力は安さだけ?

-中国系ECの競争力は安さではないか。

 「中国系ECが単純に中国の在庫を処分しているとか、関税をかからない安い商品を売っているために市場を拡張しているとか言われることもある。しかし、それは中国系ECプラットフォームの世界的な影響力拡大を過小評価するものだ。全世界の消費習慣が変わる中、それに中国のEC企業がそれにうまく適応したという点に注目する必要がある。世界の小売業のうち、ECが占める割合は2015年の7.4%から昨年は19.4%へと急増した。その上、ECではスマートフォンを利用した購入、決済が大幅に増え、約90%を占める。中国は2022年現在で小売りに占めるECの割合が27.2%に上り、全世界で最も高い。そのため、中国はスマートフォンによる購入、決済に特化したデータを確保することができた」

-中国系ECの技術競争力とは何か。

 「中国は過去にオーダーメード広告などに対する規制がなかった間にデータ競争力を向上させた。スマートフォンによる購入、決済は(通常の)インターネットより簡便だが、高いセキュリティーと認証技術が必要となる。クラウド(仮想サーバー)との接続もスムーズでなければならない。リアルタイムでの商品相談などに対応する人工知能(AI)自動翻訳サービスも必要だ。中国はスマートフォン基盤のデータ処理技術とコスト競争力の確保で米国と競うまでになっている」

-中国系ECは米国にどれだけ追い付いたのか。

 「データセンター、ネットワーク、アルゴリズム、AIなどクラウドインフラの能力で中国は米国に次ぐ世界2位に急成長した。クラウドの国別売上高割合は米国が36.7%で依然トップだが、中国が16%で追い上げている。3位ドイツ(3.2%)、4位日本(2.9%)などと比べると両国のシェアは巨大だ。こうした投資が中国系ECの競争力の源泉だ」

【グラフィック】世界のECプラットフォームのシェア

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  • ▲同徳女子大グローバル地域学部のソ・ボンギョ教授/チョン・ギビョン記者
  • 「中国AliExpress・Temu・SHEIN、東南アジア・南米を取り込んで米国勢と世界市場を二分」(上)

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