韓国流通大手GSリテールが展開するコンビニ「GS25」の輸出入マーチャンダイザー(MD、商品企画担当者)チームは、月1回のペースで海外出張に出掛ける。わずか数年前までは海外出張先の90%が日本だった。「コンビニ王国」日本でどんな商品を販売しているのかを調べ、ベンチマーキングしさえすれば、韓国国内で通用したためだ。しかし、最近雰囲気が変わった。今年に入って、日本出張はたった1回で、下半期は日本に出張する予定はない。
「Kコンビニ」(韓国系コンビニ)が日本のコンビニを超えたという評価が聞かれる。韓国のコンビニ業界が日本をベンチマーキングせずに生き残る方法を見つけたわけだ。コンビニの店舗数が減少する日本とは異なり、韓国でコンビニは店舗数、売上高が共に右肩上がりだ。むしろ日本のコンビニが韓国企業をベンチマーキングするケースも出ている。Kコンビニが積極的に海外市場攻略に乗り出し、日系コンビニが掌握した東南アジア市場では「コンビニ韓日戦」が繰り広げられている。
■日本は足踏み、Kコンビニは成長中
コンビニ発祥の地は米国だ。だが、日本が1974年にコンビニを導入した後、「日本化」に成功。デパートの売上高を上回るなど小売業の歴史を書き換えた。日本のセブン-イレブンは1991年、経営難に陥った米セブン-イレブン運営企業を買収した。
韓国では日本より15年遅れの1989年、ソウル市松坡区にコンビニ1号店となるセブン-イレブンがオープンした。24時間営業、おにぎり販売、現金自動預払機(ATM)設置など日本のコンビニの成功要素をそのまま導入したものだった。その後、後発走者である韓国のコンビニ企業は、日本のコンビニをベンチマーキングしようと忙しかった。
だが、最近韓国のコンビニ業者は異口同音に「とにかく日本を真似すれば成功した時代は終わった」と語る。一体何が起きているのだろうか。
日本フランチャイズチェーン協会によると、日本国内のコンビニは2022年6月に5万5887店舗を記録した後、直近の今年4月(5万5647店舗)まで毎月減少が続いている、一方、韓国のコンビニ数は2018年の3万8451店舗から昨年の5万5580店へと着実に増えている。GS25関係者は「最近コンビニのマーチャンダイザーは日本に出張せず、国内の津々浦々でおいしい店を探し、ユーチューブやインスタグラムを見ながら、最新の流行に沿い、消費者が望む新商品を早く開発することが仕事の中心だ」と話した。