野球界の関係者B氏は「外国人選手の上限がなく、資金力が豊富な日本プロ野球(NPB)の活発な獲得競争により、優れた外国人選手の獲得が年々厳しくなっている」とし「アジア枠が設けられれば、コストパフォーマンスに優れた選手を獲得し、球団経営や選手運用に役立てることができる」と話す。NPBは韓国と違って外国人枠の制限が存在しない分、1軍には4人だけが登録できる。そのため、球団は外国人選手を多い所で12人(ソフトバンク・ホークス)も置き、シーズン全体を見据えた運用を行っている。
C球団の関係者は「2015年に10球団体制となって以降、試合数は大幅に増えたものの、選手の需給バランスが整っていない」とし「試合のレベルは低下し、戦力補強はますます困難となっている」と裏事情に触れた。さらに「日本の独立リーグや台湾のプロ野球に素晴らしい選手が多い。こうした選手を獲得できれば、リーグのレベル向上と人気上昇につながるだろう」と説明した。
■海外交流の活性化でリーグ発展に寄与
反対意見もある。アジア枠以前に韓国人選手の育成に力を入れるべきだという意見だ。アジア枠を導入すれば、それだけ韓国人選手たちの居場所が少なくなるほかないというわけだ。このため「アジア枠の導入により外国人選手の定員が増えると、同じポジションの韓国人選手の有望株がチャンスを失う。中継ぎ投手など競争の少ないポストに制限すべきだ」とする声も上がっている。
これに対し、各球団は「球団が韓国国内の高校、大学、独立リーグまで全て視察し、優れた選手を獲得するために動いているが、プロにふさわしい技術力を備えた選手は日本や米国などと比べると少な過ぎる」といった反応だ。さらに、日本独立リーグや台湾などからアジア枠で選手が入ってくると、その国の中継権による追加収益なども期待できる。2019年に発足した中国プロ野球の成長も、KBOリーグにとってはチャンスとなる。D球団の関係者は「中国のプロ野球はまだ準プロレベルだが、人気は上昇しており、成長も著しい」とした上で「韓国と中国のプロ野球選手同士の交流が活性化すれば、数億人が視聴する新しい市場が開かれる可能性がある」と話した。
ペ・ジュンヨン記者、ヤン・スンス記者