供給網・投資協力・FTA、行き詰まっていた韓中関係が動き出した…中国首相来韓は9年ぶり

韓国大統領室で韓中会談…中国首相来韓は9年ぶり

 尹大統領は同日の会談で、「最近さまざまな分野で両国の閣僚級対話が再開され、地方政府間の交流も活性化していることを歓迎する。交流・協力を強化し、尊重し合い、共同利益を追い求めていこう」と述べた。その上で、「両国は二国間関係にとどまらず、国際社会の平和と繁栄のために緊密に協力していかなければならない」とも言った。李首相は「韓中関係を重視し、これを引き続き発展させていこうという中国の見解に変わりはない。両国関係の発展のため、韓国側と共に努力していくことを希望する」と述べた。

 両首脳は、2011年以降13年間中断している韓中投資協力委員会も再開することにした。同委員会は韓国産業部(省に相当)と中国商務省間の閣僚級協議体だ。両国はサプライチェーン(供給網)協力強化のための「韓中輸出統制対話体」も発足させることにした。韓国政府関係者は「サプライチェーン協力強化のための連絡窓口になることを期待する」と言った。両国はまた、麻薬・違法賭博・詐欺など国境を越えた犯罪への対応で協力を強化し、人文交流促進委員会、青年交流事業なども再び推進することにした。

 尹大統領は同日、「北朝鮮が核開発を続け、国連安全保障理事会の決議に違反し、ロシアと軍事協力を続けている。中国は安保理常任理事国として平和のとりでの役割をしてほしい」と言った。北朝鮮の非核化に向けた中国の役割を注文したものだ。

 尹大統領は就任後、韓米同盟の強化と韓日関係の復元に重点を置く外交活動を展開してきた。だがその一方で、対中外交では困難に直面しているとの指摘も少なくなかった。韓国政府関係者は「李首相の来韓が習近平国家主席の来韓につながるよう努力している」と言った。習主席は昨年9月、アジア大会が開催された杭州で、韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相に会い、「訪韓問題を真摯(しんし)に検討する」と述べた。習主席は朴槿恵(パク・クンヘ)政権時の2014年7月に来韓したのが最後だ。

ヤン・スンシク記者、キム・ドンハ記者

【表】韓中首脳会談の主な合意内容

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