その後、グォ市長の財産が実は「中国の資産」ではないかとの疑惑が浮上した。グォ市長の過去について、知られていることがほとんどなかったからだ。フィリピンの選挙管理委員会は、グォ氏がバンバン市に有権者登録をしたのは2021年、市長に当選するわずか1年前だったと明らかにした。
また、グォという姓は中国にルーツのあるフィリピン人の中でも多い姓ではない。グォ市長は22年の選挙演説で「母はフィリピン人で、父は中国人」と述べていた。
グォ市長は上院の聴聞会で「私の出生証明書は17歳のときにようやく登録された」と主張した。病院ではなく自宅で生まれたからだという。また、学校にも通っていなかったと話した。養豚場を経営していた自身の家で、ホームスクーリングを通じて学んだとのことだが、先生の名前は1人しか挙がらなかった。
聴聞会が終了した後、リサ・オンティベロス議員は「グォ市長の答弁が不透明でとても驚いた」「グォ市長のようなミステリアスな背景を持つ人たちは、中国のために働いているのではないだろうか? フィリピンの政治に影響力を行使できるよう中国が植え付けた『資産』なのではないだろうか」と疑問を投げ掛けた。聴聞会に出席した別の上院議員も「グォ市長は我々の質問に『分からない』と答えるばかりで、自分がどこで暮らしていたのかすら覚えていないと言っていた。とても信じられない」と話した。
騒動が拡大すると、大統領まで加勢した。マルコス大統領は16日「誰も彼女のことを知らない。我々は彼女がどこから来たのかを知るために、移民局と共に市民権に対する問題を調査している」と述べた。
これに関連し、フィリピン内務自治省(DILG)は、市長の職務停止を勧告した。DILGは今月5日、タスクフォースを立ち上げてグォ市長を調査した結果、グォ市長に深刻な不法行為が発見されたとして、市長の職務停止に言及した。
選挙管理委員会と法務省もグォ市長に対する調査に着手しており、不法行為が確認されればグォ市長は公職を解任される可能性がある。
イ・ガヨン記者