たとえ株式を売却したとしても、それが好材料になるとの分析も示されている。サンサンイン証券と大信証券は最近、ネイバーの目標株価をそれまでの26万ウォンから28万ウォンに引き上げた。NH投資証券のアナリスト、アン・ジェミン氏は「ネイバーが株式売却で数兆ウォンの現金を確保し、自社株買い入れや配当、追加的な合併・買収(M&A)を推進するならば株価は上がるだろう」と述べた。
しかし、一部には証券業界の見方は安易だとの声もある。今回の事態が過去のCJオーショッピングによる東方CJ株売却と類似しているという理由からだ。
CJオーショッピングは2003年8月、資本金2000万ドルを投資し、中国の上海文化広播影視集団(SMG)と合弁会社「東方CJ」を設立した。東方CJは2006年に黒字転換し、2012年に売上1兆ウォンを達成したが、中国側は増資に際してCJを排除したのに続き、株式売却を要求し始めた。当時東方CJの企業価値は1兆~2兆ウォンと推定されたが、政府の圧力でCJオーショッピングは東方CJに対する持ち株11%を502億ウォンで売却することになった。
最大の強みだった海外事業の価値が低下し、CJオーショッピングの株価も下り坂となった。CJオーショッピングの株価は株式売却を発表した2012年4月16日、ストップ安を記録。1日で時価総額が2221億ウォン蒸発した。同社株価は2012年末の27万7000ウォンから2016年末には16万2900ウォンまで約40%下落した。
当時も一部アナリストは、現在のネイバーと同様、株式売却が投資財源調達という側面でプラスになるという分析を示した。しかし、テレビショッピング事業は低迷が続き、 CJオーショッピングは合併と企業分割などを経て、今はCJ ENMの事業部門になった。CJオーショッピングは、主な販路をテレビからモバイルに変更すると表明し、ブランド名もCJオンスタイルに変更した。
金融投資業界関係者は「ネイバーとカカオを比較すると、ネイバーには海外市場攻略という強みがある。LINE売却の可能性は誰が見ても悪材料だが、それを悪材料としてまともに扱わないというのは不思議だ」と批判した。
チョン・ミンハ記者