しかし、不拘束による実刑は、その状態で何年も放置しようという趣旨ではない。法曹界関係者は、適時に正義を実現するためには、少なくとも拘束事件に準じ、最大限速やかに判決を下さなければならないと指摘する。被告人にとっても速やかに判決が確定してこそ、いつ実刑が執行されるのかと不安に思う状況から早く抜け出すことができる。それはその事件が無罪だとしても同様だ。
実刑ではないが、当選無効に相当する刑が言い渡された事件も同じことが言える。慰安婦被害者のための後援金を横領したなどとして起訴された尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員の場合、昨年9月の二審で執行猶予付きの懲役刑が言い渡されたが、7カ月が過ぎても大法院の判決が出ていない。当選無効に当たる刑なのに判決が遅れ、国会議員として4年の任期を全うすることになる。曺代表の息子に虚偽のインターン確認書を書いた民主党の崔康旭(チェ・ガンウク)元国会議員も二審で当選無効刑である執行猶予付き懲役刑を宣告されたが、大法院の判決が出るまで1年3カ月かかった。単純な事件だったが、これほど時間がかかった。結局、崔氏は4年の任期のうち3年4カ月在職した。これを正義とは呼べないだろう。
こんなことが曺代表の事件で繰り返されてはならない 一部には8月に大法官3人が退任する状況が不確定要素になり得るという話もある。後任の大法官任命には国会の同意が必要なので、大法院が巨大野党の顔色をうかがい、曺代表、尹議員の2人に対する判決を遅らせるとの見方だ。 そうはならないと信じるが、もしそんなことが起きれば、大法院は最高司法機関という看板を下ろさなければならない。
崔源奎(チェ・ウォンギュ)論説委員