4月の韓国総選挙で祖国革新党が前回の総選挙で第3党にまでなった理由はさまざまあるだろうが、裁判所の「役割」も少なくなかったと考える。子女の入試不正と青瓦台に対する監察もみ消しで起訴された曺国(チョ・グク)同党代表の裁判は一審だけで3年2カ月、二審は1年かかった。一審を担当したウリ法研究会出身の部長判事が突然休職をするなど、裁判を遅延させなかったとすれば、あるいは二審が懲役2年の実刑を宣告し、曺代表を収監したとすれば、総選挙の結果は変わっていただろう。
無論裁判所はそういう政治的結果まで予想し、そういう対応を取ったわけではなかろう。だが、曺代表はその状況を自分の政治に十分に活用し、結局「成功」を収めた。裁判の結果も依然として認めていない。曺代表は総選挙前にユーチューブチャンネルに出演し、刑が確定したならば、「腕立て伏せもスクワットもプランクもしながら、健康管理をして出てくる」と語った。二審は防御権を保障するために収監しなかっただけで、「過ちを反省していない」とし、実刑を宣告したが、曺代表は収監されても「反省」ではなく「健康管理」すると言ってのけたのだ。事実上、裁判所の判決をあざ笑ったも同然だ。
こんなとんでもない状況を整理する責任は大法院へと移った。国会議員は一般の刑事事件で禁錮以上の刑が確定すれば議員職を失い、曺代表の量刑は当選無効に相当する。その趣旨を取り戻すには、できるだけ早く判決を下さなければならない。ところが、曺代表のような「不拘束のままの実刑」事件に対する上告審の判断が概して遅れることに問題がある。政治家が絡む事件は特にそうだ。
不法政治資金9億ウォン(約1億円)を受け取ったとして起訴された韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相が代表的なケースだ。同様に二審で懲役2年を宣告されたが収監されなかった。判決がそのまま確定した大法院判決は二審判決からほぼ2年が過ぎて出た。被告が拘束された事件は一審で6カ月、二審で8カ月、大法院で8カ月など拘束期間に制限があり、大半は裁判を速やかに進む。ところが、不拘束のままの実刑事件にはそうした制限がなく、判決が遅れる傾向があるのだ。