韓国では総選挙が終わったが、現職国会議員の任期が約1カ月残っている。あきらめの心情で、荒唐無稽な状況を見守らなければならない。当初から問題視されてきた尹美香(ユン・ミヒャン)議員も任期を全うすることになる。
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4年前、正義記憶連帯(旧韓国挺身隊問題対策協議会)の尹美香(ユン・ミヒャン)理事長が共に民主党の衛星政党である共に市民党から総選挙に出馬し、比例区で当選すると、長い間一緒に活動していた日本軍慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんが後援金横領疑惑、2015年12月の韓日慰安婦合意の情報事前入手などを暴露し、「国会議員になるべきではない」と発言した。不正疑惑に関する報道が相次いだ。世論調査では「国会議員就任を辞退すべきだ」という回答が70.4%に達したが、尹氏は疑惑を否定し国会議員になった。検察による捜査が始まると、かつて一緒に慰安婦被害者支援活動していた施設長が命を絶った。業務上横領など8件の容疑で起訴され、2年5カ月後の昨年2月、7件の容疑は無罪、1億35万ウォン(約1130万円)の横領容疑のうち、約1700万ウォンを有罪と認定する一審判決が出た。昨年9月の二審判決では、8000万ウォンの横領、補助金管理法違反なども有罪となり、懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けた。議員失職に相当する判決だが、尹氏は「無罪を立証する」として上告し、国会議員としての任期を満了することになった。
韓日慰安婦合意の情報を尹氏が事前に知っていたという李容洙さんの指摘も事実であることが明らかになった。弁護士団体が訴訟を通じ、外交部から面談記録を受け取った。当時外交部が合意前日までに尹氏と計4回にわたって会い、合意内容を事前に共有したという文書まで存在した。
堅く持ちこたえた「尹美香議員」の4年間の議員活動はどんなものだったか。間もなく任期が満了する第21代の国会議員は約2万5000件の法案を提出し、可決された割合は35%だった。国会のウェブサイトによると、尹議員が代表となって発議した法案は109件だが、可決されたのは2件で、16件は内容が一部反映された。慰安婦関連法案の中には、慰安婦被害者だけでなく関連団体に対する名誉毀損も禁止する内容の改正法案に共同発議者として名を連ねたが、「尹美香保護法」という論議が起き、法案が撤回された。
尹議員は国家保安法の廃止、韓米軍事演習の中止などを一貫して主張してきた。2022年11月、北朝鮮が韓国領海にミサイルを発射するなど、約120発を撃ちまくった日、北朝鮮を糾弾するどころか韓米合同空中訓練の中断を要求した。昨年は外交部から車両の提供を受け、親北朝鮮団体である在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が主催した関東大震災100周年行事に参加した。論議を呼ぶと、「色分け論」だと反発した。昨年11月には国会で在席議員260人のうち253人の賛成で、中国に脱北者強制送還中断を求める決議案が可決されたが、尹議員は棄権した7人のうち1人だ。