「ロシア恐怖症」を克服すれば韓国はプーチンに無視されなくなる【コラム】

かつて韓国ではロシア関連の問題で2人の外相が更迭される…韓国外交部は「ロシア恐怖症」に
金正恩(キム・ジョンウン)政権を延命させるロシアをこのまま放置すべきでない
レッドラインを後退させ続ければ「北極熊」にまたやられる

 3月28日に国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネルの任期延長決議案がロシアによる拒否権行使で否決された。これはロシアと北朝鮮の関係が一層緊密化したことを示す象徴的な出来事だった。米ニューヨーク・タイムズは「専門家パネルの無力化はロシアと北朝鮮との関係、そして北朝鮮の核問題における新たな分岐点になりかねない」と分析している。その上で同紙は「過去10年間、米国とロシアが共通の大義名分を掲げることができたプロジェクトは北朝鮮による核兵器拡大阻止だったが、もはやこれも崩壊に至った」とも指摘した。

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 米戦略国際問題研究所(CSIS)は「ロシアによる拒否権行使は国連の北朝鮮制裁体制弱体化を目指す組織的な努力の第3段階」と説明した。国連安保理による北朝鮮制裁決議の中断(第1段階)、そして北朝鮮による弾道ミサイル発射に対する新たな安保理制裁の阻止(第2段階)に続く、いわば北朝鮮制裁体制の永久解体が始まったというのだ。

 なぜこんな事態になったのか。ロシアはウクライナ戦争の長期化で困難な状況に追い込まれたため、北朝鮮から武器支援を受けるため恥も外聞もなく北朝鮮を擁護するようになった。ロシアは1950年の6・25戦争以来、北朝鮮とは最高レベルの連携を続ける一方で韓国にもさまざまな形でシグナルを送ってきたが、韓国政府はこれを外交安全保障における最優先課題とは認識しなかった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が昨年ロシアの宇宙基地を訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行うなど両国関係の緊密化は以前から進んでいたが、それでもロシアに対する韓国の外交面での「レッドライン」は逆に後退してきたのだ。

 ロシアのラブロフ外相は昨年11月、北朝鮮との武器取引で「ロシアは国連の北朝鮮制裁に違反した」と非難を受けた際、「国連安保理が制裁を行った」「抗議は安保理にやれ」という前後のつじつまが合わない発言を行った。ロシアは安保理常任理事国として過去に10回以上北朝鮮制裁決議案に賛成したが、今後はこれを記憶しないという発言だった。

 今年に入ってジノビエフ駐韓ロシア大使はあるインタビューで韓国を「非友好国」、北朝鮮を「友好国」と呼んだ。ジノビエフ大使は「韓国がロシアの非友好国から友好国に戻る最初の事例になることを希望する」と述べた。これは事実上の脅迫であり、大使として駐在国に対して守るべき一線を越えたとも言える。ロシアは韓国の宣教師を国交回復以来初めて「スパイ容疑」で身柄拘束した。ロシアと北朝鮮は昨年後半から今年2月までの約6カ月間、6700個のコンテナで8000発以上の砲弾と物資を交換した事実も公表された。

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