曺国問題当時、法務部(省に相当)長官を務めていた同氏が、検察の捜査を受けて閣僚のポストから退き、ソウル大学教授の職からも解任され、妻の鄭慶心(チョン・ギョンシム)氏は4年の刑が確定して服役していることも、野党側支持層の同情を大きくした、との解釈もある。曺代表が、自分に対する捜査を指揮した検察総長(検事総長に相当)から大統領になった尹大統領に向けて「私と同じ基準で尹錫悦・金建希(キム・ゴンヒ)・韓東勲を捜査せよ」と攻め立てたことも、検察に対する反感が強い支持層を結集させる効果を上げた、という見方もある。
曺代表は選挙キャンペーン中、「地域区(選挙区)は民主党、比例は祖国革新党に入れてほしい」という、いわゆる「地民比祖」のスローガンを掲げた。李在明代表率いる共に民主党のけん制を回避しつつ野党支持層を結集する戦略、という解釈が出ている。そうしつつも、遊説の間はずっとネギを持ち、尹政権が発足してから国民生活の苦労は深刻になったと宣伝した。こうしたキャンペーンを通して祖国革新党は、李在明代表の司法リスクと「非明横死」公認に失望して棄権しかねなかった非李在明・親文在寅(ムン・ジェイン)系支持層の代案として浮上した-という評価も出ている。野党側の関係者は「比例党の『共に民主連合』に進歩党などが合流したことに不安を感じた伝統的な野党支持層、李俊錫(イ・ジュンソク)・李洛淵(イ・ナクヨン)連帯が白紙になったことでリベラル系中道層の一部も、祖国革新党が結集させたようだ」と語った。
祖国革新党は、第22代国会で新進歩連合・進歩党などと連帯して院内交渉団体(20議席)の結成を試み、改革新党・「新しい未来」とも「金建希特検法」推進を接点として連帯に乗り出す可能性がある。だが、曺代表をはじめ朴恩貞(パク・ウンジョン)、黄雲夏(ファン・ウンハ)、車圭根(チャ・ギュグン)など当選圏の候補多数が検察の捜査を受けていたり起訴されていたりするなど、司法リスクを抱えている。申荘植(シン・ジャンシク)、金峻亨(キム・ジュンヒョン)など、かつて行動や身の上に関連して論争に巻き込まれた候補もいる。祖国革新党がブームを引き起こしたことで、大法院における曺代表の裁判が影響を受けるのではないか、という見方も政界や法曹界から出ている。「国会を防弾のための蘇塗(罪人が逃げ込む聖域)にするのか」という批判だ。
ウォン・ソンウ記者