韓国の進歩(革新)系新党「祖国革新党」は、10日に行われた総選挙の出口調査で比例代表議席を12から14得るものと予測された。今年3月初めに「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権審判」を掲げて総選挙に飛び込んだ新生政党が、院内第3党の座を占めることになるのだ。
祖国革新党の曺国(チョ・グク)代表は10日午後6時、韓国国会の議員会館に用意された開票状況室で地上波テレビ3社の出口調査結果を見守った。曺代表は「結党してから1カ月余りの祖国革新党に熱い支持と声援を送ってくださって本当にありがとう」としつつ「尹大統領はこれまでの数多くの失政と不正について国民に謝罪せよ」と語った。また曺代表は「(第22代国会)開会後、直ちに『韓東勲(ハン・ドンフン)特別検察官法(特検法)』を発議したい」とも述べた。
曺代表が先月3日に新党結成大会を開いた時点で、祖国革新党の躍進を予測した人物は韓国政界にほとんどいなかった。選挙区に候補者を出さず比例代表政党を旗印とした祖国革新党は、4年前の21代総選挙で比例代表候補のみを出した「開かれた民主党」(3議席)程度の成果にとどまるだろう-という見方が多かった。ところが祖国革新党は、結党後、各種の世論調査で進歩系最大野党「共に民主党」の比例衛星政党である「共に民主連合」までも上回り、ブームを起こした。
当初、韓国政界には「子どもの入試不正などにより一審・控訴審で懲役2年の刑を言い渡された曺代表が、総選挙キャンペーンの過程で『司法リスク』の鎖を解くのは容易ではない」という見方も多かった。しかし曺代表は「大法院(最高裁に相当)で刑が確定して監獄に行けといわれたら行く」とし、自分は「尹錫悦検察」が主導する無道な捜査のスケープゴートだと主張した。曺代表のこうしたキャンペーンの基調を巡っては、2019年の「曺国問題」時に発覚した一家の不正を「政治弾圧」の論理で覆い隠そうとする、ネロナムブル(私がやったらロマンス、他人がやったら不倫。ダブルスタンダード)だという批判が出た。しかし野党側の関係者は「曺代表の全国的認知度と、尹錫悦政権審判を掲げて『3年は長すぎる』という鮮明なメッセージを出したことが、反尹傾向の有権者を結集させる効果を生んだ」と語った。