他のごみよりもラーメンスープが特に問題になるのは、塩分が多いからだ。塩辛いラーメンスープが渓谷などに流入すると、水生昆虫などの生物が生きられなくなる。韓国国立環境科学院のシン・ギシク研究官は「警告、河川、湖などの淡水は、海水とは異なり塩分がほとんどないため、塩分の多いラーメンスープが流れ込むと淡水の生態系が大きな影響を受ける可能性がある」と話した。
環境汚染も懸念される。国立環境科学院の研究によると、紙コップ1杯分(200ミリリットル)のラーメンスープを希釈して真水(まみず)レベルにするためには、水1460リットルが必要だという。ラーメンスープの7300倍の水が必要になるという意味だ。
このような理由で韓国国立公園公団は16年から、国立公園の待避所にある売店でカップラーメンの販売を取りやめた。スープやカップラーメンのごみなどが環境を破壊するとの理由からだ。国立公園ではその後、ミネラルウォーターやインスタント米、懐中電灯など、登山に必要な数種類の品物だけを販売している。漢拏山も18年に売店が閉鎖され、現在はカップラーメンが買えない。それ以降、保温ボトルで熱湯を持参して山でカップラーメンを食べるのが流行するようになったのだ。
国立公園側は、今後もカップラーメン自体は禁止しない予定だ。漢拏山国立公園管理所の関係者は「現時点でカップラーメン問題が深刻になっているのは漢拏山ぐらいで、最近では多くの登山客がごみを家に持ち帰るなど市民意識が大きく向上した」として「当面は『ラーメンのスープを残さない運動』に注力したい」と話した。一部では、熱湯を入れてきた保温ボトルに、ラーメンの残り汁を入れて持ち帰ろうという意見も出ている。
日本でも「ラーメンの残り汁」の処理が問題になり、さまざまなアイデアが登場している。即席カップ麺を製造する日清食品と製薬大手の小林製薬は21年、スープを固めるパウダーを開発。残ったスープにパウダーを入れてかき混ぜればスープが固まり、ごみとして捨てられる。また、日本の宮崎県高千穂町では、とんこつラーメンの飲み残しのスープをバイオディーゼル燃料として活用し、観光用のカートを運行している。
キム・ユンジュ記者