金炯淵(キム・ヒョンヨン)元法制処長もそれに劣らない。判事出身の金氏は最近、あるユーチューブチャンネルに出演し、「曺国代表が有罪となったのは、政治検事らが検察の利益を守るために検察改革の旗手である曺国をあらゆる検察権を動員して縛り付けたものであり、そのような巨悪(検察)を撲滅しようと入党した」と話した。曺国代表をスケープゴートのように描写し、検察がしてはならない捜査を行ったかのような言いぶりだ。子女の入試のために虚偽のインターン確認書を作成し、文在寅政権の人事監察をもみ消した人物が、なぜスケープゴートになり、それを捜査した検察がどうして巨悪になり得るのか。では、有罪判決を下した裁判所は検察に振り回されたのか。判事出身者が一部の「曺国同情論」に便乗し、事実を歪曲している。
金氏は「検察独裁政権を終わらせるという決然とした姿を見せた曺国代表を見て勇気を出し、曺国を二度と孤独にさせたくないという気持ちで祖国革新党を選んだ」とも述べた。国際人権法研究会幹事出身の金氏は、文政権時代に登場した政治判事の元祖とも言える人物だ。司法改革を要求し、文政権発足直後に辞表を出し、2日後に大統領府法務秘書官になり、それから2年後に法制処長にスピード昇進した。当時の民情首席秘書官は曺国代表だった。その行動について当時、裁判所内部からは「権力を得ようと裁判官職を売った」という批判が出たが、今や国会議員になりたいと曺国代表の「決然とした姿」を云々し、お世辞まで言っている。
曺国代表の恥知らずぶりは度を越えて久しい。それに破廉恥な法曹界関係者までもが加勢している。それでもその党を支持する人が少なくない。いくら恥知らずの時代とはいえ、その現実がもどかしい。
崔源奎(チェ・ウォンギュ)論説委員