韓国研修医の集団辞職問題、中国メディアが尹政権に否定的なコンテンツを組織的に生産 韓国総選挙

総選挙を前に歪曲された情報を拡散

 ある中国消息筋は、本紙の取材に対して「複数の中国政府関係者からほぼ同じ時期に、『韓国医療界や市民が困難な状況に直面しているのに大統領だけが利益を得ている』というような主張をする特定のコンテンツをシェアしてこれを波及させよ、という指針を受け取った」と語った。こうした動きの背後には中国政府が存在している可能性があるのだ。別の人物は「中国は地域ごとに専門家・インフルエンサー・国際チームなど数千人からなるコメント部隊を運営していると理解している」と語った。

 実際に、韓国国内メディアのニュース記事にコメントを付ける形で、中国人のコメント世論操作活動も行われている。「売国輪牒(ちょう)」という名前のアカウントは、コメントで尹大統領の名前を「ユンソリョル」と誤記したが、このアカウントは医療スト関連の記事に「検察王朝独裁国家」「自由主義ユンソリョルは問題解決をせず国民同士互いに争わせている」とコメントを付けた。進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の発言に関する記事には「分党スパイ右派らはブルブル」というコメントを付けた。この「売国輪牒」は、嘉泉大学警察安保学科のユン・ミンウ教授の研究チームが昨年末、ビッグデータ分析技法を用いてデータを抽出して見つけ出した中国人と推定されるアカウントおよそ50のうちの一つ、「ナチ民主」が名前を変更したアカウントだ。

 ID「一つの中国」は、韓国国内メディアの記事に「自由民主主義者は無条件に落選させなければならないと思う。国がめちゃくちゃになろうとしている」「(元々は)だいたい400人増員しようとしたが、その程度では『ディオールのバッグ政局』の転換にならない。だから国民と医師を戦わせているのだ」などのコメントを付けた。医学部定員拡大政策を「尹錫悦総督の酒癖」と罵倒し「李在明の言う通り医学部増員は漸進的に行うのがよい」とするコメントも付けた。このアカウントも、組織的世論操作活動を繰り広げる三つの中国人アカウントのうちの一つと目されていた。

 ユン・ミンウ教授は、本紙の電話取材に対して「中国は自分たちの戦略的目標に符合しない政治勢力が選挙で勝つことを望まないので、韓国の現政権を狙った影響力工作をオンライン・オフライン両面で全方位的に展開している」とし「中国内部の否定的世論が、時差を置いて外信や野党、韓国国内の人物を通して拡大再生産されるケースが多いので、適切な対応が必要」と語った。

キム・ミンソ記者

【世論戦】中国発の報道に見る韓国研修医の集団辞職問題

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