韓国研修医スト1週間、医療現場の疲労ピークで今週にも深刻な危機到来…「心停止患者も受け入れられない」

 今月20日に大規模病院の初期研修医による勤務地ボイコットから始まった「医療大混乱」は26日で1週間となった。この間、韓国政府と医療界では「初期研修医によるストライキは1週間になるころが峠」という見方が多かった。初期研修医の代わりに24時間救急・入院患者に対応している医学部教授や後期研修医たちが耐え得る期間が約1週間だからだ。1週間過ぎて教授や後期研修医がバーンアウト(極度の疲労)に陥れば、主要病院で予定される手術・入院件数が普段の半数以下に減り、重症患者が窮地に追い込まれる「医療危機」が本格化するということだ。

【グラフィック】これも本来は医師の業務…看護師たちが代替している医療行為

 政府は25日、保健福祉部(省に相当)の曺圭鴻(チョ・ギュホン)長官が主宰し、教育部・法務部・行政安全部など13部処(省庁)が参加する「医師集団行動対応中央災難安全対策本部」会議を開いた。同本部は「週末にも救急診療が行われるよう、全国409カ所の救急医療機関の救急救命センターについて、24時間運営状況を点検している。また、97カ所の公共医療機関を中心に、週末と休日・祝日の診療を実施している」と述べた。その上で、「検察と警察は協力システムを構築し、(集団行動などに対する)迅速な司法処理に備えている」と述べた。

 初期研修医ストライキ後、初めての週末だった24日と25日、ソウルの主要病院の救急室は飽和状態だった。救急医療ポータル・サイトによると、25日午前の時点でソウル大学病院は26床がすべて埋まっていたという。ソウル峨山病院も11床のうち10床が埋まり、単純縫合の患者も受け入れられずにいた。セブランス病院救急室は患者の命と直結する脳出血手術さえも麻酔科の支援の有無などにより一部の受け入れしか可能でないと告知した。胃腸管出血時に実施する緊急内視鏡検査や、胆のう・胆管疾患も新規患者は受け入れられないと明らかにした。江南セブランス病院でも今回の初期研修医集団ボイコットの影響で、ソウル総合防災センターに対し「救急室への軽症患者搬送は自粛してほしい」という公文書を送った。ソウル聖母病院の場合、一般・内科集中治療室の空き病床が一つもなかった。

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  • ▲25日、ソウル市竜山区の大韓医師協会で、全国医師代表者拡大会議を終えて出てきた出席者たち。韓国政府の医大・医学部定員増員政策の中止を要求し、韓国大統領室に向かって街頭行進をした。

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