■「救急医療ができず集中治療室へ」
救急医療では看護師が初期研修医の空白を埋めることができない。特に手術を受けた患者の状態が突然悪化した場合、応急処置として薬などを投与しなければならないが、看護師は「処方権」がなく、独自の救急医療ができない。医者が来なければならないのだ。大韓看護協会の関係者は「救急処置が適時にできなかったという通報が2件寄せられた。これにより、ある患者は集中治療室に入ったとのことだ」と述べた。京畿道の大規模病院に勤めて3年目の看護師は「手術を受けた患者に『便秘なので薬が欲しい』と言われたが、医師がいないので、『申し訳ないが少しだけ我慢して』と言うしかなかった」と語った。大韓看護協会は記者会見で、「人手不足により患者の消毒施行周期が平均四日から七日に増えたことが分かった。週末もしなければならないガーゼ消毒を平日だけ行っているのが実情だ」と述べた。
■看護師も疲弊
初期研修医の不在を埋めるため、大規模病院の看護師らは休暇を取り消し、非常時に備えて待機するケースが増えている。ソウル聖母病院の看護師は「初期研修医のストライキで手術が延期された患者とその家族に一日中、理由を説明している。患者の恨み言をすべて聞いていると疲労困憊(こんぱい)する」と言った。ソウル峨山病院の看護師は「今週はひっきりなしにやって来る患者の電話に一日中出ていたので、のどを痛めた」と話した。ソウルの大規模病院の看護師たちは「病院の上層部からも当然のように『初期研修医の業務を看護師が代わりにするように』という指針が下された。こうなったからには、看護師が医師業務の一部を合法的に代行できるよう、法律を変えてほしい」と言った。
ソウル市内の病院に勤めて5年目の看護師は「先日、専門医の先生たちが患者もいる病院の中で、初期研修医たちに大声で『私たちがストライキをした2020年7月は暑すぎてろくに遊べなかった。今回は楽しく遊べそうだな』と言っていたのを聞き、本当に腹が立った」と話した。
チョ・ベッコン記者、チョン・ヘミン記者、コ・ユチャン記者