集会やデモなどの現場周辺ではビルのオーナーや商店主などが警察官のトイレ使用を禁止するケースもある。ソウル市内のある派出所に勤務する警察官によると、商業ビル1階のトイレは誰もが使用できるが、オーナーが使用を禁じた場合はトイレを探すため他の3-4カ所のビルを回るケースがあるという。そのため機動隊員らも現場でトイレを探すのがとても大変だ。ソウル警察庁のある機動隊員は「集会現場には衛生車両が帯同しないケースの方が多いが、現場では周辺の商業ビルや商店街のトイレ使用が拒否されることが多い」「清潔に使っているのだから、もう少し気遣ってほしいと思う」と述べた。
現場の警察官らは食堂やカフェで市民から向けられる視線も冷たいと感じている。ソウル市内の別の地区隊に勤務する警察官によると、制服を着て食堂に入ると「なんで仕事もしないで食事するの」とよく言われるという。食事はもちろん、特にコーヒーなどは店に座ってではなくテイクアウトして地区隊で飲むことが今ではルールになったそうだ。このように制服警察官に対する冷たい態度はよく外国と比較される。警察の関係者は「米国では道端で制服を着た警察官に市民が感謝の言葉をかける様子がよく見られる」と語る。警察に治安を守ってもらって感謝するという意味合いからジュースなどを安く売るドーナツチェーンやコンビニもあるという。
このような現状もあり韓国では制服警察官よりも内勤を希望する警察官が増えている。ソウル市内の派出所に勤務する警察官のチャンさんも、制服を着ていると周囲の目を気にしてそれなりの待遇が受けられないと感じている。そのため最近は現場よりも刑事や内勤など制服を着ない職務を希望する警察官が増えているそうだ。
順天郷大学警察行政学科のオ・ユンソン教授は「制服を着た警察官がいるおかげで国の安全保障や治安システムが維持されている。制服に対する尊重や市民意識はもっと改善されるべきだ」と指摘した。
キム・ドヨン記者、キム・ボギョン記者