問題を起こした各メーカーは、トヨタの世界1位戦略によって買収された会社だ。トヨタは2000年代に入り、スバル、ダイハツ、日野自動車などの株式を取得してグループ会社化した。フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズ(GM)、ルノーなどの巨大企業と競争するためで、これらグループ会社の販売台数は「トヨタグループの販売台数」に計上された。こうしてトヨタは2007年に初めて世界1位となり、2020年からは3年連続で1位の座を守っている。
■トヨタ本陣でも相次ぐリコールなど品質問題発生
品質問題は最近、トヨタ内部でも発生している。トヨタが開発に何年もかけ、昨年発売に漕ぎつけた初の電気自動車(EV)「bz4x」は、タイヤが外れる恐れがあることが分かり、発売からわずか2カ月でリコールとなった。12月21日には全世界で発売されたアバロン、カムリ、RAV4、レクサスESなど主要車種合わせて112万台がリコールとなった。助手席に子どもや小柄な人が乗った場合、センサーが認識できずエアバッグが開かないことが判明したからだ。
トヨタは2023年4月に佐藤恒治氏を社長兼最高経営責任者(CEO)に選任し、再出発を告げたが、依然として将来の主力となるEVへの転換をめぐって迷走しているとの指摘も出ている。最高のハイブリッドメーカーであることは確かだが、EVトップのテスラなどとの差は開く一方だからだ。トヨタの販売台数はテスラの7倍に達するが、時価総額はテスラの3分の1にすぎない。車1台当たりのマージンもテスラの方がトヨタより4倍高い。ブルームバーグは「EVに消極的なトヨタは、EVを研究し、消費者に紹介するチャンスを逃している」と指摘した。販売を続けてこそ欠陥を修正し、より良質な車を製造できるものだが、現在の構造では恐らく負け戦を続けることになるだろう。
キム・アサ記者