最高時速300キロの韓国高速鉄道、平均時速は168キロに過ぎない【寄稿】

中国の高速鉄道は時速350キロ…日本は時速500キロ目指し工事中
韓国の労働生産性は最下位レベル

 韓国は先進国なのに、なぜ国民は幸せではなく、生活の質は劣悪なのかと多くの人が疑問に思う。どの国が豊かに暮らしているかを測る尺度はいくつかあるが、一般的にドルに換算した1人当たり国内総生産(GDP)を使用する。英経済誌エコノミストの集計によると、22年時点で韓国の1人当たりGDPは3万2255ドルで、調査対象34カ国のうち日本(3万3815ドル)に次ぐ世界21位だ。国ごとに住宅、外食など国際的に取引されない商品とサービスが多く存在するため、それを反映した1人当たり購買力平価(PPP)ベースに換算して比較するのがより正確だ。それによれば、韓国は19位で、28位にとどまった日本を上回る。もう少し努力すれば、フランス(15位)と英国(16位)にも追いつけそうだ。だが、時間当たり1人当たり購買力平価指数で比較すると、韓国は49ドルで調査対象34カ国のうち33位まで順位を下げる。調査対象国の中で最も劇的に順位が低下するのが韓国だ。韓国は効果的に仕事をしているのか意識せず、ただ熱心に、長く働くことで問題を解決する国家なのだ。そのため、国民一人一人に人生の余裕がなく、不幸に満ちているのだ。

 韓国社会は忙しく誠実なように見えるが、実は無意味な労働に満ちている。大切な部分に集中して高い付加価値を生み出すのではなく、無味乾燥に繰り返したり、仕事しているように見せたりすることがはるかに多い。生産現場では体系的なシステムより勘が優先される場合がまだまだ多く、オフィスでは上から降ってくる無駄な指示に渋々従う状況に愚痴をこぼした経験が誰にでもある。生産性向上のための基盤構築と資料蓄積を疎かにした結果、多くのことが長時間労働を通じた試行錯誤で行われている。経験は蓄積されず、一過性で消え、同じことを限りなく繰り返す。そのため、韓国の時間当たり労働生産性はOECD加盟37カ国平均(64.7ドル)の73%にとどまっている。韓国より生産性が低い国はギリシャ、チリ、メキシコ、コロンビアの4カ国しかない。

 教科書で学んだ通り、韓国は資源はないものの、豊富で優秀な労働力を大量に投入して成長してきた。しかし、今や韓国の人的資源は世界で最も速いスピードで枯渇しつつある。過去のやり方はもはや維持できないため、ただ一生懸命にやっているだけでは現在の地位さえ守れない限界状況に迫っているが、依然として過去の「やればできる」という認識に埋没し、今求められる生産性向上のための質的変化は遅れている。「無知ならば体で苦労しろ」という格言が現在の韓国の実情かもしれない。

チェ・ジュンヨン法務法人律村専門委員

【グラフィック】 OECD加盟国別時間当たり労働生産性

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