ハングルを使っているのは、韓国のアイドルにはまっている一部の熱狂的なファンだけではない。交流サイト(SNS)の発達はハングルのグローバル化の急速な拡大に火をつけた。2021年には韓流コンテンツと関連して作成されたX(旧ツイッター)のコンテンツだけで78億件に達した。K-POPや韓流ドラマのファンたちが「オッパかっこいい」「オンニ(お姉さん/女性が年上の女性を呼ぶ語)かわいい」などの言葉をハングルで直接添えたり、書いたりしてコメントを寄せている。ファン同士でも「テバク」「ホル(はぁ)」程度はハングルでやりとりするのが日常的になった。
ユーザーが5億人という外国語学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」によると、韓国語は全世界で5番目に人気が高い外国語だという。また、昨年12月15日付のGoogle Trends(グーグルトレンド)によれば、全世界のインターネット・ユーザーがグーグルでハングルにより検索した総数はこの5年間で約3倍に増えたとのことだ。
最近、欧州でハングルの看板やハングルのメニューを見かけるのはよくあることだ。英ロンドンのショーディッチ地区にあるフュージョン韓国料理店「オン・ザ・パプ」。メニューの「トッポッキ(餅の唐辛子みそ炒め)」「クンマンドゥ(焼きギョーザ)」「キムマリ(春雨をのりで巻いた天ぷら)」などの料理名はすべてハングルで書かれていた。その隣には現地の人々が読んで発音できるように「Toppoki」「Kunmandu」「Gimmari」という具合にアルファベット表記が付けてある。同店のイ・ソンジョン代表は「以前は外国人がどんな料理か理解できるようにトッ(餅)を『rice cake(ライスケーキ)』、マンドゥ(ギョーザ)を『dumpling(ダンプリング)』と書いた。しかし、今は外国人客がハングルのままの名前を知りたいと思っていて、かなりの数のメニューは説明しなくてもほとんど知っている」と話す。