■5万人必要なAI高度人材、わずか5000人
韓国経済が再飛躍するために、マッキンゼーはまず大規模な産業構造再編の必要性を強調した。造船、自動車・モビリティー、消費財など韓国の主力製造業はこれまで特定業種に集中する垂直系列化でグローバル競争力を確保した。だが、産業の境界が崩れる時代には他業種と協業する方式で産業構造を再編すべきとの主張だ。例えば、自動運航船舶は自動運転、モノのインターネット、ビッグデータ、先端センサーなど多様な技術の融合が必要だ。造船業者は全ての技術を持っているわけではないため、専門技術を持った企業、スタートアップと協力して生態系をつくらなければならない。
産業構造再編に向けては、政府の役割も重要だと強調した。ソフトウエア、コンテンツ、プラットフォームなど付加価値の高い産業を集中的に育成し、新しい成長動力として位置づけ、エネルギー、製薬・バイオ、ファッション、繊維など韓国が競争力を持ち、高成長が期待される産業を積極的に支援し、重要技術を確保しなければならない。
マッキンゼーはチャットGPTが触発した生成AI(人工知能)競争が激化する状況で、AI高級人材5万人を育成するなど人材育成にも力を入れるべきだと指摘した。韓国雇用労働部によれば、27年までにAI人材需要は6万6000人に達するが、供給は5万3000人にとどまり、このうち高級人材は5000人にすぎない。マッキンゼーは「技術障壁が高く、発展が速い点を考慮すると、高級人材を中心としたAI中核人材の確保策が一層重要になった」との見方を示した。報告書を総括したマッキンゼーコリアのソン・スンホン代表は「韓国経済はもう退路がない。韓国が生きる道は急進的で思い切った変化しかない」と述べた。
安重顕(アン・ジュンヒョン)記者