つまり、林秀卿氏にとって脱北民とは、そして北朝鮮の人権問題を主張する河泰慶は首領を裏切った変節者ということになる。尹美香議員が林秀卿氏と同じ世界観を持っているなら、脱北者強制送還糾弾に賛成しなかったことも当然に思える。
実際、尹美香議員は脱北者に関連して噂になったことがある。016年に中国の北朝鮮レストラン、柳京食堂というところで働いていた支配人ホ・ガンイル氏が一緒に働いていた女性従業員12人と共に脱北したが、ホ・ガンイル氏は2018年、尹美香議員など韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)関係者が自分たちを京畿道安城市にある慰安婦被害者の保養施設に招待した際、「北朝鮮に帰るよう勧めた」と証言した経緯がある。尹美香議員は事実に反すると言ったが、彼女の潔白を信じるにはこれまで見せた言動に不審な点があまりにも多い。
-普段から尹美香議員は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に反対し、韓米合同演習反対を叫び、在韓米軍撤退につながる終戦宣言に賛成してきた。
-尹美香議員の夫である金三石(キム・サムソク)氏と義姉の金銀周(キム・ウンジュ)氏は、韓統連という反国家団体と接触し、資金を受け取り懲役刑を言い渡された。いわゆる兄妹スパイ団事件だ。尹美香議員は再審で無罪になったのだから、事件はでっち上げだったと言い張っているが、これは国家安全企画部が令状なしで拘禁し自白を強要したためであって、韓統連と接触し金品を受け取った点についてはやはり有罪となった。
-尹美香議員はスパイを補佐官に選んだ。補佐官(公認秘書)B氏はベトナムで北朝鮮関係者と接触し、北朝鮮に乱数表(暗号文)を報告するなどスパイ活動を行い摘発されたが、B氏は親北朝鮮メディア「統一ニュース」で記者として活動し、尹美香議員と「金福童(キム・ボクトン)の希望」をはじめとする多くの市民団体で一緒に活動したことがあるので、尹美香議員もB氏が親北朝鮮的人物であることを知っていた確率が高い。それでも尹美香議員はBを補佐官として採用した。B氏が国会から持ち出した国家機密がどれほどあるのか気になるが、尹美香議員はそれに対する答弁を一切拒否した。
-在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は北朝鮮を支持・称賛し、反国家団体という判決を受けている。ところが尹美香議員は今年9月1日、朝鮮総連が主催した関東大震災100周年の行事に参加した。会場では韓国を「南朝鮮傀儡(かいらい)徒党」と呼ぶなど反国家団体らしい発言が飛び出したが、尹美香議員は一言も抗議しなかったという。問題になると、「日本のどこにでも朝鮮総連はある。献花だけしてきた」と弁明した。
尹美香議員の足跡を見ていると、こんな人物が民主党のおかげで比例代表議員になり、多くの悪行にもかかわらず、4年の任期をほぼ終えたことに腹が立つ。彼女に勧める。そんなに北朝鮮が好きならば、ここでこうしていないで北朝鮮に行ってください。あっちは涼しいから、汗をかくこともないだろうからと。
ソ・ミン檀国大寄生虫学科教授