EVの重要部品である電池分野も例外ではない。世界最大のコバルト採掘会社である中国の華友コバルトなど電池素材企業もポスコフューチャーエム、LG化学など韓国企業と組み、韓国国内に工場を建設している。同様に「韓国製」という看板が狙いではないかと分析されている。
■ブランドを隠すBYD
中国EV業界首位のBYDは今月2日、KGモビリティー(旧双竜自動車)の次世代ハイブリッド車を共同開発し、慶尚南道昌原市にバッテリーパック工場を建設すると発表した。業界はBYDによる韓国EV市場進出ののろしとして受け止めた。このハイブリッド車はKGブランドで発売されるが、BYDの電池とハイブリッドシステムは重要部品であり、車体価格に占める割合も半分を超える。自動車業界ではEVを開発した経験がないKGモビリティが事実上BYDから重要部品を調達するとの見方が有力だ。
BYDがKGと提携したのも中国ブランドを隠すのが得策だと判断したためとみられている。韓国の消費者の反中感情を考え、BYDが韓国に間接進出した方がよいと考えたとする見方だ。BYDは今年、韓国よりEVの人気が低いものの、反中感情がそれほど強くない日本に代理店を相次いで設け、EVを投入した。韓国では大企業のGSグローバルと提携し、バス・トラックなど消費者の感情をさほど考慮しなくて済む商用車市場に絞ったマーケティングに積極的に乗り出している。
専門家は韓国企業が単に中国自動車産業の踏み台として利用されないためには、独自技術の確保が欠かせないと指摘する。韓国国内の自動車学科教授は「現代・起亜を除けば、EV時代に中国企業との競争するのは容易ではないという現実を認識すべきだ。中国車の生産基地にとどまらないためには、目先の販売だけを考えず、10年後のEVの先行技術開発に取り組まなければならない」と述べた。
鄭漢国(チョン・ハングク)記者