韓国で選挙の度に浮上する新党論…二大政党の前では「コップの中の嵐」

 最近最も成功したとされる国民の党も、安哲秀氏が2017年大統領選で敗れて以降、劉承旼(ユ・スンミン)元議員による非朴槿恵(パク・クンヘ)系新党である正しい政党と合併し、正しい未来党を結成したが、結局は二大勢力に分かれた国内政治の現実に根を下ろすことができず、既存政党に統合された。韓国政治史で永続性を保って安定的に運営された第3の政党はまだない。

 このため、専門家らは来年の総選挙を控え、李俊錫(イ・ジュンソク)国民の力元代表、琴泰燮(クム・テソプ)元国会議員、梁香子(ヤン・ヒャンジャ)国会議員(韓国の希望)らを中心に展開される新党結成の動きについても、見通しは不透明だとみている。国民の力、民主党など既存の二大政党に対する嫌悪感情は広がっているが、新党を主導する人物は強固な地域基盤を備えた有力な大統領選候補でもなく、支持層も特定世代に限られているため、新党に参加する斬新で象徴的な人物も見えてこない。政界関係者は「口では二大政党の弊害を叫ぶが、結局は両党で公認を受けられずに追い出された政治家が自分たちの国会入りだけのために新党を結成するのではないかと疑っている国民も多い」と話した。

 二大政党政治の失敗ムードの中で新党推進の動きが出ても、既存政党が選挙を控えて刷新に動けば、第3勢力の新党は立つ瀬がなくなるとの指摘もある。仁川大のイ・ジュンハン教授は「来年の総選挙を控え、さまざまな新党が発足したとしても、国民の力が最近金浦市のソウル市編入といった攻撃的な公約を打ち出すなど、既存政党が刷新の動きを見せれば、新党の破壊力は限られたものとならざるを得ない」と話した。

 一方、政界が旧態依然であれば、選挙の度に新党論は噴出し続けるとの見方もある。政治コンサルタントのパク・ソンミン氏は「李俊錫新党が結成されたとしても、国民の力の現在の親尹錫悦(ユン・ソンニョル)指導部が党をまともに刷新できるかは疑問だ」とし、「前回の大統領選で尹錫悦大統領を選択した『中道・保守同盟』を再構築するには、結局尹大統領の決断が重要だ」と指摘した。

朴国熙(パク・ククヒ)記者、元先宇(ウォン・ソンウ)記者

【図】過去に結党された主な新党とその消滅過程

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  • ▲2016年1月10日にソウル市鍾路区の世宗文化会館で行われた国民の党(仮称)結党発起人大会/朝鮮DB
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