韓国の合計特殊出生率「0.7」日本「1.26」…ノーベル経済学賞受賞者が高く評価した日本の育児休業制度とは

「韓国の企業文化は、世代の変化に追い付いていない」

■韓国の女性の就業率は60%、日本は72.4%…韓国も増加の兆し

 韓国統計庁によると、韓国で2021年に育児休業を取得した男性の割合は4.1%で、日本より大幅に低い。女性の育児休業取得率は65.2%だが、80%を超える日本よりは低い。ただしこの数字は出産後1年以内に関して集計したもので、男性は子どもが生まれてから1年以降に取得するケースが多いため、実際の育児休業取得率はこれより高いというのが韓国雇用労働部(省に相当)の説明だ。

 韓国の男性の育児休業取得率も徐々に増加している。昨年の男性の育児休業取得者は3万7885人で、昨年より30.5%(8844人)増加した。全体の育児休業取得者のうち男性の割合は28.9%で、1年で2.6ポイント上昇した。育児休業の平均取得期間は女性が9.6カ月、男性は7.3カ月だ。

 育児休業を取得する男性が増えた背景には、昨年から施行された「3+3父母育児休職制」がある。子どもが生まれて12カ月以内に、両親が同時あるいは期間をずらして育児休業を取得する場合、最初の3カ月については育児休業中の給与を通常賃金の100%支給するという制度だ。上限は最大で300万ウォン(約33万円)となる。

 韓国政府は、男性の育児休業取得を促進するために、この制度を「6+6父母育児休職制」に拡大改編し、来年から施行する。子女の年齢は生後12カ月以内から18カ月以内へと拡大し、最初の6カ月について両親とも通常賃金の100%を育児休業中の給与として受け取ることができるようにした。上限も月額450万ウォン(約49万6000円)に引き上げた。夫婦が共に育児休業を取得すれば、月に最大900万ウォン(約99万2000円)を受け取ることができる。

 また、ゴールディン教授が指摘したように、日本の女性の就業率は比較的高い。韓国雇用労働部と企画財政部によると、韓国の女性の就業率(15-64歳)は60%で、ゴールディン教授が言及した日本(72.4%)より12.4ポイント低い。主要国における女性の就業率はドイツが73.1%、カナダ72.8%、英国72.2%、米国66.5%、フランスは62.3%となっている。

 ただし、韓国の女性の就業率も徐々に上がってきている。今年1-8月の女性の就業率(15歳以上)は53.9%で、10年前の2013年(48.9%)よりも5ポイント上昇した。今年1-8月の女性の就業者数は32万4000人増加し、就業率が昨年より1.3ポイント高くなった。同じ期間に男性の就業率は0.2ポイント低下している。韓国国内の雇用市場を女性がけん引しているわけだ。

 女性の雇用は保健福祉や宿泊・飲食などサービス業を中心に増加した。特に30代の増加率が顕著だ。既婚女性の就業率は昨年より1.4ポイント、子どものいる女性の就業率は1.5ポイント、それぞれ増加した。韓国政府は「日本も人口減少が可視化した2012年以降、30代を中心に女性の就業率が大幅に上昇した」とした上で「日本と比べて韓国は30代後半から40代の就業率が低い」と説明した。

世宗=ソン・ドクホ記者

【写真】「わあ、完全に失敗ですね」 韓国の出生率を聞いて頭を抱える米教授

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