■税金を投入した雇用事業も失業率低下の一因
韓国の場合、他の国とは違い、実際の雇用率・失業率を完全に示せていない「統計上の錯覚」が多いという声もある。特に、毎年増えている公共型高齢者雇用事業が失業率を減らし、雇用率を引き上げる役割をしている。企画財政部によると、高齢者雇用は2018年の51万3000件から今年は88万3000件に増え、来年には103万件まで増加すると予想されている。KDIのイ・スンヒ副研究員は「(税金を投入した)公共型高齢者雇用事業は高齢者雇用率の統計数値を引き上げる大きな要因の一つだとみている」と語った。
公務員試験など、希望の職に就くために長い間、試験の準備をする若者が多いということも失業率が低く出る一因だ。若者たちは学業などで求職活動ができない時期は非経済活動人口に分類され、雇用率と失業率の統計から外される。だが、公務員試験に願書を出せば求職者に分類され、失業者統計に含まれるようになる。このため、公務員試験の願書受付時期によって青年失業者数が上下する。KDIのハン・ヨセフ労働市場研究チーム長は「青年雇用などに『統計上の錯覚』があると思われる」「韓国の失業率が低下したのは、新型コロナウイルス感染症の大流行以降、対面サービスが急増した影響もある。(この傾向が)持続可能なのか、さらに推移を見守らなければならないだろう」と分析している。
金成謨(キム・ソンモ)記者