こうした中でニュース打破は72分間の録音ファイル原本を公開しました。しかし、そこに含まれていたのはわらにもすがる金万培氏の一方的な陳述と申鶴林氏の中途半端な相づちが全てでした。誤認を招くようなつぎはぎがあったことも確認されました。ニュース打破はこの録音ファイルと一致する大庄洞事件関係者の証言があったものの、検察の捜査過程で彼らが言葉を変えたと主張しています。あり得ることです。しかし、ニュース打破はこの真実ゲームの状況を覆す上でより確実な証言や物証を確保できませんでした。
結局、録音ファイルの真実性を立証し、報道を正当化する根拠はどこにもありませんでした。にもかかわらず、ニュース打破は尹錫悦候補に決定的に不利な金万培氏の供述を選挙直前にそのまま流しました。
さらにひどいことに、金万培氏と申鶴林氏の間の金銭取引が明らかになりました。波紋が拡大すると、ニュース打破は全く認知していなかったが、そうした取引は言論倫理上容認できないことだと謝罪しました。しかし、これは典型的な論点ぼかしと尻尾切りの謝罪でした。メディア周辺には意図を持っているか、誇大妄想に陥った人々が群がりがちです。ニュース打破は彼らの過ちではなく、彼らを選り分けることができなかった自分の過ちを謝罪すべきでした。
ニュース打破は謝罪文で「何よりも事実に忠実でなければならないという『事実優先の原則』と決して特定陣営の側に立たないという『非党派性の原則』を一貫して守ってきました。この原則は今後も変わりません」と記しています。そうした原則は守られていません。不気味なナルシシズムが見て取れるだけです。
私はニュース打破の夢を応援しました。メディアに対するむちの役割を支持しました。荒々しくしばしば下品な告発記事に耐え、その寛容が私たちの社会を前進させると信じていました。でもこれまでです。
キム・ヨンジン代表、ニュース打破は間違っていました。権力による言論弾圧のふりをやめ、国民の前に謝罪してください。後援者やメディアの前で申し訳ないと言ってください。それが謝罪文の原則を守る道です。それが代替メディアの終わりではなく始まりです。そうしてください。お願いします。 謹言
尹錫敏(ユン・ソクミン)ソウル大メディア情報学科教授