■行き過ぎた対中依存が毒に
韓国化粧品業界を代表するアモーレパシフィックとLG生活健康は中国市場でシェアを失い、業績が急激に悪化している。アモーレパシフィックは中国での販売好調で16年に営業利益が8500億ウォンに迫ったが、昨年の営業利益は4分の1の2100億ウォンに急減した。海外売り上げの半分を占める中国市場がコロナによる封鎖措置で縮小したほか、国産品を重視する「愛国主義消費」の影響も重なり、直撃を受けたのだ。
流通業界も大規模な対中投資の後遺症に苦しんでいる。1994年に中国進出後、10兆ウォン以上を投資し、百貨店、量販店などに事業を拡張したロッテは一時120カ所を出店していたが、現在は残っているのはロッテ百貨店成都店1カ所だけだ。新世界もEマートが2017年、中国進出から20年目で全面撤退した。韓国のゲーム企業も60兆ウォン規模の中国市場に大きく依存しているが、「限韓令(韓流締め出し)」が本格化した2017年3月以後、海外のゲーム企業には「版号(ゲームサービス許可)」がほとんど認められていないのが現状だ。
自動車、造船と共に韓国の輸出を支える二次電池は鉱物輸入の約80%を中国に依存していることが問題だ。二次電池の正極材に使われる水酸化リチウム(84%)、水酸化コバルト(69%)、硫酸コバルト(97%)などはほとんど中国から輸入している。負極材に使われる天然黒鉛と人工黒鉛の対中輸入割合も70%を超える。二次電池輸出は現在好調だが、中国産原材料のサプライチェーンが行き詰まれば、瞬く間に産業が崩壊しかねない。
朴淳燦(パク・スンチャン)記者、趙宰希(チョ・ジェヒ)記者