専門家らは、米国大統領の広島訪問を「日本の謝罪要求の契機」と関連付けるのは実際の意図から外れた解釈だと指摘している。外交消息筋は「米国大統領が被爆地を訪れるのは、当時敵対国だった日本に対して戦争に関連して謝罪するという意味ではなく、人道的観点からのいたわりを基に、敵対国から最大の友邦へと転換した両国の同盟を拡大発展させようという未来志向的政治行動」だと語った。日本国内に「謝罪要求」はあり得るものの、それを拡大解釈して報じるのは、むしろ韓国国民の米日情勢解釈を誤導しかねないのだ。
韓国外交部(省に相当)元次官のある人物は「日本は現在、米国との同盟強化にオールイン(ポーカーで、手持ちのチップを全部賭けること)している」とし「そんな日本が、自国内でも『かつて戦争を起こしたことについて反省しよう』という空気が圧倒的なのに、これに逆行する謝罪要求をやるというのは、状況を正反対に読んでいるか、もしくは反日扇動をやろうという悪意ある解釈」と指摘した。
趙教授は「オバマ大統領の被爆地訪問の後、安倍首相がどこに行ったかを知れば、両国関係がどのようなものかがはっきりする」とし「サミットから7カ月後の12月27日、安倍首相は、1941年12月に日本の奇襲攻撃で沈んだ米戦艦アリゾナの上に作られた、ハワイのパールハーバーの記念館を訪れて献花した」と語った。ここから、岸田首相も今後数カ月中にパールハーバーを再訪問するだろうとの見方もある。今回のバイデン大統領の平和記念資料館訪問も、かつて互いに戦争をした米日両国が、互いに対する痛みをかばいつつ前へ進んでいこうという意味で解釈するのが適切-という趣旨だ。
さらに岸田首相は21日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と共に、広島平和記念公園内にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れた。広島の原爆犠牲者の中には、強制徴用された韓国人被害者も含まれている。韓日両国首脳が共同で韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れるのは今回が初めて。元駐日大使のある人物は「岸田首相が韓国人原爆犠牲者慰霊碑に頭を下げるのは、強制徴用韓国人に頭を下げるという意味にもなる」と語った。その上で「両首脳が韓日関係における胸の痛む過去を直視して癒やしのために共に努力するのは、まだ足りない部分はあるけれど少しずつ進んでいるという前向きなシグナル」と述べた。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者