「高校卒業したら来てね」…定員の99%を外国人留学生で満たす韓国の地方大学(下)

ジリ貧の危機に瀕した地方大学による苦肉策
人口減少で韓国人新入生が減少
まるで外国人専用キャンパス

 大学による「留学生の募集」競争の過熱ぶりを懸念する声も上がっている。慶尚北道のC私立大学の関係者は「学生ビザを利用してお金を稼ぐために来韓する外国人を見分けるのは難しい問題」と話す。学生ビザの期限切れで不法滞在者が増加した地域では、住民たちが「治安」に対する不安を訴え始めている。法務部の資料によると、留学ビザ(D-2)で韓国に入国した外国人のうち、不法滞在者が占める割合は2018年の1.3%(1400人)から昨年末には7.1%(9800人)へと急増した。

 教育部は、地域の不足する労働力と関連付け、留学生を誘致する政策を進めている。これまでは留学生の数を増やすことのみに焦点が当てられていたが、今では地域人材の需要と連携して留学生を誘致し、彼らの韓国定着までを支援するというのだ。例えば、老人介護のための人材が必要な地方自治体の場合、地域の大学に「療養ケア学科」を増設し、留学生を対象に韓国語や専攻技術を教えるほか、介護業者には就職までをあっせんするというのだ。こうした留学生には「地域特化型ビザ」を与える案も検討中だ。

 また、教育部は外国人留学生による平日のアルバイト許容時間を増やすことで、地域社会に対する留学生の寄与度を大学国際化評価に反映する案も検討している。教育部のユン・ソヨン地域人材政策課長は「四年制大学を卒業した韓国人学生たちは、地方に働き口を求めていないのが現実」とし「地方の大学を卒業した海外留学生が地域の人材需要を満たすことができれば、地域と大学の双方にとって役立つ案になることが可能なのではないか」と期待を寄せた。

束草・高城=ユン・サンジン記者、シン・ジイン記者

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  • ▲インド・ネパールからの留学生はサッカーに代わってクリケット―4月24日、江原道束草近くのある大学のサッカー場でインドとネパール出身の学生たちが集まってクリケットの試合を行っている。/ユン・サンジン記者
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