「高校卒業したら来てね」…定員の99%を外国人留学生で満たす韓国の地方大学(下)

ジリ貧の危機に瀕した地方大学による苦肉策
人口減少で韓国人新入生が減少
まるで外国人専用キャンパス

 国際大学看護学科に通う学生たちの対策づくりとして5月2日、国家教育委員会のキム・テイル委員は国会で記者会見を開いた。キム委員は「看護学科の学生たちは学校を信じて今学期も授業料を支払い、残った教授たちは使命感を持って授業している」とし「近隣の大学と連係して学生たちの学習権を保障できる教育当局の支援が必要だ」と力説する。

 このように全国には学生不足などで廃校直前にまで追い込まれている大学が続出している。学生がいなければ財政難に陥るほかない構造だ。韓国人の新入生が見つからず廃業の危機にひんしている大学は、外国人留学生の誘致に死活を懸けている。地方の私立大学の国際交流担当者は「最近、学校間の競争が過熱し、現地のエージェント(ブローカー)に学生1人当たり1学期の授業料を(誘致謝礼金として)支給するケースも見受けられる」と話す。8学期の授業料のうち7学期は学校が、1学期はエージェントが受け持つ構造だ。また、「現地訪問して募集」に乗り出す大学も増えている。地方のB大学は中国現地の高校と協約。韓国語講師を派遣して、中国人学生たちに卒業前の6カ月間で「韓国語の授業」を提供する。留学生の韓国への適応をサポートするためだ。大学側は「中国人学生たちが他国に離れていくのを防ぐためには仕方ない」と苦肉策であることを話す。

 多くの国から留学生を集めているため、中国が絶対的多数だった留学生の国籍に占める割合も変化する様相を呈している。法務部の資料によると、今年3月基準で外国人留学生21万4000人のうち、ベトナム人が7万3800人と最も多く、次いで中国が6万7450人で2位となった。以降はウズベキスタン(1万2250人)、モンゴル(1万2220人)などが続く。コロナ禍を迎える前の2018年には16万人の留学生のうち中国人が6万8900人、ベトナム人が4万5100人だった。A大学の関係者は「中国の経済的水準が高まり始めたことで、最近では中国人留学生たちは地方に代わってソウル圏内の世界大学評価(QS)の順位が高い学校に行こうとしている」とし「地方大学はやむを得ずベトナムやウズベキスタンからの学生をターゲットとしている」と裏事情に触れる。

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