■植民地支配の不法性否定
共に民主党は「第三者弁済方式」を主な内容とする尹錫悦政権の強制徴用賠償問題解決策について「植民地支配の不法性をひっくり返した」と主張している。しかし「日本の植民地支配は不法」とする韓国政府の基本的な立場はこれまでどの政権でも変わったことはない。尹錫悦政権による今回の決定は徴用問題を巡る国内法(大法院判決)と国際法(韓日協定)の間隙を解消するものだ。請求権協定は「請求権に関する問題は永久かつ最終的に解決した」と定めているが、大法院判決は「日本の不法支配による損害賠償請求権は韓日協定で喪失していない」と判断した。その間隙を埋めるためこれまで専門家が唯一の現実的解決策としてきたのが「第三者弁済案」だった。実際に文在寅(ムン・ジェイン)政権当時、現在の野党の大物政治家だった文喜相(ムン・ヒサン)国会議長(当時)は「1(韓国企業)プラス1(日本企業)プラスアルファ(韓日国民の寄付)」を骨子とする第三者弁済案を提案した。文在寅政権はこれを実行しなかったが、尹大統領は今月16日「(韓日協定と判決を)調和を持って解釈するためのもの」と説明した。
■謝罪がない
共に民主党と進歩(革新)陣営は以前から「日本の真正な謝罪がなかった」と主張してきた。これについて韓国大統領室の関係者は「歴史問題に関する日本政府の直接の謝罪はかつて日王(原文ママ)や首相を含め50回以上行われ、岸田首相もこれを継承すると言った」と反論した。日本による韓国への謝罪は日本の首相談話や宣言の形で何度も補完されてきた。1995年の村山談話では「痛切な反省」という言葉が使われ、1998年の韓日パートナーシップ共同宣言(金大中〈キム・デジュン〉・小渕宣言)では「多大な損害と苦痛に対する痛切な反省と心からのおわび」などの文言が合意文書に明記された。2010年の菅直人談話は痛切な反省の意向に加え「(韓国の)意向に反して行われた植民地支配」という言葉が使われるなど、韓日併合の強制性を認めた。明仁日王(原文ママ)も1990年「痛惜の念を禁じ得ない」と述べた。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者、趙儀俊(チョ・ウィジュン)記者