【朝鮮日報コラム】井戸の中で横紙破りの反日…国の威信を害するだけだ

尹錫悦政権の徴用問題解決案を巡って野党は「屈辱」と追及
政争の利得にはなるかもしれないが、国の品格はどう見えるだろうか
ずうたいは大人なのに駄々をこねる…国際社会は納得せず

 このごろの韓国の若者層は、中国側に反感の焦点を合わせている。20代、30代を対象にした世論調査で、中国は圧倒的に非好感度トップだ。貿易報復や文化東北工程など、中国の力自慢が反感を買ったからだ。「中国の夢」を共にしたいという韓国左派陣営の反日扇動が力を失っていく理由はここにある。

 1979年に第1巻が出た『解放前後史の認識』は、学生運動層の意識を高める教科書だった。1980年に大学に入った筆者も、先輩の指導の下、同書を読んだ。読後感を互いに共有するセミナーは「起・承・転・親日原罪論」だった。李承晩(イ・スンマン)政権が親日清算をしなかったことが韓国の諸悪の根源だった。始まりを誤ったから国が完全にねじれてしまった、という診断が明快だった。しかし、心の片隅には引っ掛かるものがあった。世間の道理とはそう単純なものだろうか。

 当時のその親日原罪論を、文在寅政権で再び聞くことになった。2019年の三・一節記念式典で、当時の文在寅大統領は「親日残滓(ざんし)清算はあまりにも長く遅れていた宿題」だと語った。2021年7月、同じく当時の李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は、大統領選挙出馬を宣言するとともに「大韓民国の樹立は親日勢力と米占領軍の合作で行われた」と発言した。

 1980年、韓国の国民1人当たりの所得は日本の6分の1程度だった。最近は、手を伸ばせば当たる程度にまで追い付いた。2027年になれば順位がひっくり返るという予測を、日本の経済研究センターが出した。1980年の時点では、日帝強占期を覚えている世代が成人の半数以上を占めていたが、今では80代後半もしくはそれ以上のごく少数しか残っていない。韓日両国の力学関係も、両国国民が互いを見る目も大きく変わった。それにもかかわらず大統領や、大統領になりたいという人物の対日認識は、40年前の大学生意識化の論理から一歩も踏み出していなかった。

 韓国ほど他人の視線に神経を使う国民もまれだ。韓国文化、韓国料理が外国人の目と口に合うかどうかを気にして、相手が親指を立ててみせれば満足する。しかし、国際社会が韓国の座標を見定めて評価する真の基準は別にある。韓国専門家らは、韓日関係が歴史問題でねじれるたびに首をかしげる。韓国は今や厳然たる先進国で、解放からとうに2世代は経過している。にもかかわらず日本問題が出ただけで、新生の後進国に戻っていくのだ。ずうたいは大人だが、母親の乳を吸って駄々をこねる退行に他ならない。野党首脳部を占める586学生運動出身者らは、無条件に日本を非難することが国の品格を高めることであるかのように扇動する。身内で酔いしれて、井戸の外では嘲笑を買うばかりだ。国際規範を外れた反日ごり押し外交は、国の威信を害するだけだ。

金昌均(キム・チャンギュン)論説主幹

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 【朝鮮日報コラム】井戸の中で横紙破りの反日…国の威信を害するだけだ

right

あわせて読みたい