韓国の中堅化粧品メーカー「CLIO(クリオ)」は日本にある雑貨店・セレクトショップ・ドラッグストアなどの小売店1万4000カ所で自社製品を販売している。同社は日本でカラーコスメ・ブランド「クリオ」や「peripera(ペリペラ)」をはじめ、スキンケア製品やヘアケア製品まで計5ブランドを展開している。クリオの日本売上高は2018年の55億ウォン(約5億7800万円)から2021年は457億ウォン(約48億円)へと3年間で730%も急増した。クリオの関係者は「新型コロナの流行以降、日本の化粧品市場は縮小しているが、『Kビューティー』旋風は勢いがある」「2023年は流通チャンネルをさらに拡大する計画だ」と語った。
円安という不利な条件にもかかわらず、韓国の化粧品が日本市場でブーム的な人気を呼んでいる。韓国貿易協会によると、2022年1月から10月までで韓国は日本に665億4600万円の化粧品を輸出し、伝統的な化粧品大国フランスを抜き、日本の化粧品輸入相手国の1位になった。フランスは2位で、以下3位米国、4位中国の順だ。韓国貿易協会関係者は「日本は資生堂やSK IIのような現地ブランドの地位が高く、自国の商品を好む傾向が強いため、韓国の化粧品メーカーが参入しにくい市場だとされてきた」「その上、円安でもあるのに、韓国の化粧品が日本で輸入先1位になったのには相当な意味がある」と話す。韓国の大手化粧品メーカー「アモーレパシフィック」は日本進出から8年たった2014年、高価格ブランドの販売不振により撤退せざるを得なくなった。ところが新型コロナウイルス感染症の流行後、動画配信サービス「ネットフリックス」や動画共有サイト「ユーチューブ」を通じて韓流ブームが巻き起こり、日本のあらゆる世代の消費者たちから「Kビューティー」があらためて注目されていると分析されている。
■円安でも「Kビューティー」は売れ続けている
2022年12月27日、会員数2000万人という日本のインターネット・ショッピング・モール「Qoo10(キューテン)ジャパン」が集計した「直近24時間で最も売れた化粧品」ベスト20に韓国の製品14製品がランクインしていた。
中でも韓国の中小メーカー・中堅メーカーの活躍が目立つ。14製品のうち「Bonajour(ボナジュール)」や「VT COSMETICS(VTコスメティックス)」と言った中堅・中小メーカーの基礎化粧品・カラーコスメは12製品に達する。大手化粧品メーカー「CJオリーブヤング」が日本のEコマースサイト「楽天市場」やQoo10で販売している韓国中小メーカーの化粧品の売上は昨年より132%増えた。CJオリーブヤング関係者は「中小メーカーのブランド製品『BIO HEAL BOH(バイオヒールボ)』のプロバイオダーム・リフティング・クリームなどは2022年1ー3月期のQoo10『メガ割り』イベントで基礎化粧品部門1位になった」「日本の化粧品関連コミュニティー・サイトで、韓国の中小メーカーの製品は『品質に優れ、価格もリーズナブルだ』と評価されている」と語った。