レゴランド一日利用券も5万4000ウォン(約5600円、金曜日・大人料金)と、3万ウォン(約3100円)台のエバーランド自由利用券よりはるかに高い。料金が高い分、満足度も高いかと言えば、そうではない。つまりコストパフォーマンスが悪いのだ。40余りのアトラクションが大人の目線で不十分なのは理解できる。レゴランドというテーマパークそのものが大人よりも小学生以下の子どもをターゲットにしているためだ。
だが、テーマパーク内の飲食店の多くが営業すらせず、営業中の飲食店のメニューもファストフード一色である点は納得しがたい。春川名物のタッカルビ(鶏肉と野菜の唐辛子みそいため)がメニューにあると思っていたら期待外れだ。子どもが主役というレゴランドの特性上、親が待たなければならない状況がしばしば発生するが、座って休むことができるベンチなどの便宜施設の数も少なかった。地面に寝転んで泣いている子どもや、我が子を優先させようともめる親たちを見なければならないのも苦痛だ。子どものために一度は来ることがあっても、二度は来る必要がないと感じられるのも、こうした理由からだ。
レゴランドを建設した江原中道開発公社が推算したレゴランド損益分岐点は年間売上400億ウォン(約41億円)以上だという。大人と子どもの入場料平均を4万ウォン(約4100円)程度と仮定すると、年間100万人を超える人が入場しなければ黒字にならないという意味だ。しかし、さまざまな理由でレゴランドの「オープン特需」はあまりにも早く消え手しまったように思う。
レゴランド周辺が開発され、その波及効果があればいいのだが、これもすぐには難しい。レゴランド付近に先史遺跡博物館造成を計画している江原中道開発公社は現在、深刻な財政難にあえいでいる。レゴランド側が河中島に確保した敷地8万坪(約26万平方メートル)のうち、未開発のままの2万坪(約6万6000平方メートル)の活用も財政難に阻まれて難しい状況だ。資金繰り行き詰まりの危機を克服しなければならない江原道とレゴランドの道のりは険しそうだ。
コスパの悪いレゴランドツアーを終えて駐車場に戻る途中、街路樹にかかっていたパネルの言葉が目に入った。「レゴランド 一度来たら気が抜けて、二度来たらバカになる」。レゴランド建設で河中島の文化財が傷付けられたと批判する市民団体が掛けたパネルらしい。駐車場に向かって歩いていた人々は皆、パネルを目にすると立ち止まって笑った。共感の苦笑いだと感じたのは気のせいだろうか。
春川=チョン・ジュンボム記者