「うわー! パパ、あそこでしょ?」
今月21日午前、江原道春川市槿花洞と河中島を結ぶ春川大橋。車が橋の中程に差しかかった時、後ろの席の子どもが遠くに見える色とりどりのテーマパーク「レゴランド」を指して歓声を上げた。5カ月間待ってレゴランドにやって来たということで、その子は幸せな気持ちでいっぱいになったようだった。その子は車窓に額を当てて目的地を見て、前の席の両親に何かをしきりに説明していた。
だが大喜びの子どもとは違い、父親の心境は複雑だった。よりによって、レゴランドが2000億ウォン(約208億円)台という資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)の債務不履行(デフォルト)で国内資金市場に衝撃が走った直後だったからだ。だからだろうか。子ども心あふれるレゴランドよりも、その周辺に広がる広大な未開発の土地がまず目に入った。河中島の文化財毀損(きそん)や事業性論争など、この11年間レゴランドについて回ったありとあらゆる雑音が広い空き地のあちこちに染み付いているようだった。
平日とは言え金曜日にやって来ただけに、長い行列を覚悟していた。ところが、オープンした今年5月に全国各地の親たちの忍耐力が試されるほど長く伸びていた行列も、この日は見られなかった。このレゴランドで一番人気のあるアトラクション(乗り物)として知られる「ドラゴンコースター(ジェットコースター)」も30分ほど待てば乗ることができた。家族と一緒に休日を楽しみに来た人にとっては良かったが、デフォルト克服の可能性を見いだすためにやって来た人にとっては疑念がわいた。
午後になると入場者がどんどん増えたが、人気テーマパークのエバーランドやロッテワールドには遠く及ばない。ここが「年間200万人以上集まる」と言われた韓国内初の世界的テーマパークだということを考えれば、「閑散としている」と評されても仕方がない。業界関係者によると、今年5月に13万人だったレゴランド入場者数は6月に10万人、7月に7万人と減少傾向にあるという。
レゴランドの人気が急落している理由を探すのは難しくなかった。入場者に「また来たい」と思わせる要素がほとんどないのだ。遠路はるばるやって来た入場者を最初に出迎えるのは駐車場入り口に掲げられている「有料」駐車場の案内文だ。レゴランドで数十万ウォン(数万円)使った後でも、5時間以上車を止めていた場合は駐車代1万2000ウォン(約1200円)をまた払わなければならない。駐車料金がもったいないと思うなら、電車に乗って春川駅を降りてから、1時間に1本のシャトルバスを利用するか、一晩の宿泊料金がソウル市内の高級ホテルに次ぐレゴランドホテルに泊まらなければならない。