■ドル高時代、外貨準備高の点検を
短期対外債務の割合が短期間に急上昇したが、韓銀は大きく懸念する状況にはないとの立場だ。韓銀関係者は「主に銀行がドルを海外から短期で借り入れた。現在、韓国の銀行の対外支払い余力は十分にある」と述べた。通貨危機当時、企業が短期対外債務に苦しんでいたのとは違い、最近は支払い余力がある大手銀行に短期対外債務が集中しており、状況が異なるというのだ。また、韓国が14年以降、海外からの借金よりも海外資産が多い純対外債権国である点も挙げている。
しかし、年初来ウォンが急落し、貿易赤字が過去最高を記録しているため、短期対外債務の割合の上昇を警戒すべきだとの声が上がっている。ウォン相場は13年4カ月ぶりのウォン安水準となる1ドル=1360ウォン台にまで下落している。ウォン安が進めば、ドル建ての債務を返済する際の負担が増大する。
さらに、ドル高の嵐で新興国が崩壊する可能性もあることから、警戒を強めるべきだとの意見もある。新興国の連鎖デフォルト(債務不履行)で世界的な信用不安が起きた場合、ドル資金回収の動きが広がり、韓国の金融市場に嵐が吹き荒れる可能性も否定できない。延世大学の成太胤(ソン・テユン)教授は「ウォン安が進んでいる時期なので、為替当局は安心してはならない」と話した。
世界的な金融危機直後には、短期対外債務の割合が短期的に70%台まで上昇したが、当時は韓米通貨スワップという支えがあった。現在は米国との通貨スワップがない。世宗大の金大鍾(キム・テジョン)教授は「政府と韓銀は言葉だけで安心しろと言うのではなく、外貨準備高のうち4%しかない現金の比率を高め、韓米通貨スワップ締結を推進し、防波堤を高める必要がある」と話した。
孫振碩(ソン・ジンソク)記者