韓国では短期対外債務の割合が2012年以降の10年間で最高にまでに増えた。短期対外債務とは、償還期限が1年以下の外国からの借り入れを指す。償還期限が迫っている対外債務なので、短期間に流出する可能性がある資本と言える。国際金融市場の変動性が高まる中で、短期対外債務が多いと、海外からの投資資金があっという間に流出する恐れがあり、経済全般が打撃を受けるリスクが高まる。
韓国銀行は4日、今年第2四半期(4-6月)時点の短期対外債務の割合は41.9%で、12年第2四半期(45.5%)以降の10年間で最高を記録したことを明らかにした。
短期対外債務の割合が40%を超えたのも12年第3四半期(41.6%)以来10年ぶりだ。短期対外債務の割合は、対外貨準備高で算出する。6月末の外貨準備高は4382億7800万ドルで、短期対外債務は1838億4900万ドルだ。
「第2の国難」とされた1997年の通貨危機も日系の短期対外債務で資金が急速に速度で流出したことが引き金となった。政府と韓国銀行は対外健全性に問題はないと説明している。しかし、今年に入って急激にウォン安ドル高が進み、貿易赤字が急速に増加しており、短期対外債務の抑制が必要だとの指摘も出ている。
■40%を超えた短期対外債務の割合
短期対外債務の割合は、08年の世界的な金融危機当時は70%台まで上昇したが、その後は低下を続け、12年第4四半期からは10年近く30%台以下だった。昨年末時点で35.6%だったが、今年第1四半期は38.2%に高まり、結局、第2四半期になって40%を超えた。
今年に短期対外債務の割合が高まっている理由について、韓銀は海外への株式・債券投資が依然として増加傾向にあるからだと説明した。企業と個人が海外投資を行うためにドル資金が必要となり、銀行が短期で多額のドル資金を海外から導入し、証券会社などに貸したり、両替手数料で収益を得たりしているのだ。今年上半期だけで短期対外債務は191億ドル増加したが、そのうち166億ドルは銀行主導で海外から借り入れた資金が占める。
短期対外債務が増加する間、外貨準備高は大幅に減少したため、短期外債の割合の上昇が速まった。昨年末4631億ドルだった外貨準備高は、今年上半期に5.4%(248億ドル)も急減した。今年は過去最大規模の貿易赤字が発生し、ドル流出が例年より増え、ウォン安防衛する過程で外貨準備高が減少したためだ。