出生率「最下位」韓国、男性の育児分担率の低さも一因か

米研究陣、出生率相関関係を調査
男性寄与度の高い米国やスウェーデンなど合計特殊出生率が1.8人を超え上位圏
韓国では女性が家事を4倍負担、OECDで唯一出生率1人に満たず

 昨年、日本経済新聞がOECDの資料を引用して作成した記事でも、こうした傾向は確認されている。出生率の高いベルギーやフランス、ノルウェーなどでは男性が家事に多く参加するという共通点が確認された。一方で、子どもを産むのが最も少ない2カ国、韓国と日本では男女が家事に費やす時間に大差が見られた。韓国人女性は男性に比べ家事を4.43倍、日本では4.76倍もこなしていることが調査の結果で分かった。

 女性家族部(省に相当)が最近発表した「2021両性平等実態調査」でも、女性の「単独育児」の現実が明らかになった。12歳以下の児童がいる家庭で、女性が平日子どもの世話に費やす時間は3.7時間で、男性(1.2時間)の3倍に上った。共働きの家庭でも、子どもの世話に費やす時間は女性(1.4時間)が男性(0.7時間)の2倍だった。「妻が主に家事や子どもの世話を担当する」という回答は68.9%に上り、共働きの家庭で「全面的、または主に妻が家事と子どもの世話をする」という比率が60%を上回った。5年に1度行われる同調査で「会社勤めをしても子どもに対する主な責任は女性にある」といった認識は2016年の53.8%から昨年は17.4%と改善の兆しが見られたものの、認識が変化しただけで、現実には大した変化が見られなかった。

 ドゥプケ研究チームは、女性の経歴断絶を防ぎ、仕事と家庭の目標を両立できるようにする条件として、育児休職の活性化、男性の育児への参加拡大、育児に理解のある社会的雰囲気作り、(退職後の再就職が容易になるよう)労働市場の柔軟化などを挙げた。

 韓国女性政策研究院のパク・ソンヨン先任研究委員は「伝統的な家族規範などにより、女性の方が育児に費やす時間が長いため、出産は女性にとって魅力的な選択肢にならない」と説明する。夫婦の育児休職期間中に一部を父に強制する北欧式の「父親割当制」を導入し、男性の育児への参加率を高めることで、少子化を解決するきっかけとすべきとする主張も聞かれる。大統領職引き継ぎ委員会の人口と未来戦略TF(タスクフォース)は2日、少子高齢化傾向に備えた人口政策を提案する会合で、育児休職と配偶者の出産休暇の拡大、妊娠と出産支援システムの革新などを主な課題として掲げた。

キム・ウンギョン記者

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