説明はこれで終わらない。教材は「訓民正音は諺文(ハングル)で作られた。現在ハングルと呼んでいるのは諺文」と主張した。それとともに「諺文は少なくとも高麗時代から使われてきた」と述べた。また「訓民正音は中国に頒布された」とし「吏読(りとう、漢字による韓国語表記法)の代わりに使用され、漢文書籍を諺解(漢文をハングルで解釈する)、漢字の発音を表記するなど、三つの政策を全て中国で施行した」と説明した。
論議が拡大すると、当時S社は過ちを認め「該当図書の販売を直ちに中断する」と謝罪文をホームページに公開した。また「在庫図書は全て廃棄し、当該書籍で学習中の読者には修正した書籍と無償交換、および返金補償する」と述べた。
■腹を立てたネットユーザーが行動に…「一種の東北工程」と主張も
こうした状況を目の当たりにしたAさんは「最近韓国文化のあちこちで東北工程(中国による中国東北部の歴史研究で、高句麗や渤海などを中国の地方政権とするなど)が行われている」とし「深刻さを伝えるために、わざわざ外交部(日本の省に相当、以下同じ)に通報した」と、背景を明らかにした。同通報は、独学学位制を担当する教育部傘下の国家生涯教育振興院に移され検討が進められた。
Aさんが添付した国民申聞鼓の検討結果によると、振興院は「民間出版社から発刊された特定教材の歴史歪曲に深い遺憾の意を表する」と明らかにした。ただし「民間出版社を管理・監督する権限がない」とした上で「通報内容は極めて深刻で、当該出版社に深刻な懸念を伝え、処理結果を確認、伝達した」と述べた。
これとともに「該当出版社は来週(10月第4週)中に再出版した教材を発刊する」とし「出版社の謝罪文通り処理され、再発防止に向け努力するという内容を受け取った」とした。