玄武-4は、2017年の「火星-14型」「火星-15型」大陸間弾道ミサイル(ICBM)など北朝鮮の相次ぐミサイル発射および核実験で核・ミサイルの脅威が浮上したころ、韓国軍の大量報復戦略の核心となる武器として本格的に開発された。同年の韓米ミサイル指針で弾頭重量制限を撤廃することにしたのも決定的な影響を及ぼしたとされる。
玄武-4は、北朝鮮が有事の際に核・ミサイルで挑発してきた場合、高強度の報復用として使用するものと言われている。ある消息筋は「玄武-4は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記ら北朝鮮首脳部がその威力におじけづき、有事の際に核・ミサイル挑発をしようと思わないように、事前抑制をするのが主な目的だ」と語った。
■北朝鮮「KN-23」改良型は星州THAAD基地、鶏竜台バンカーなどの破壊が可能
北朝鮮も今年3月に「北朝鮮版玄武-4」と呼ばれる「KN-23」改良型(弾頭重量2.5トン)の試験発射に成功した。韓国の玄武-4より威力は落ちるが、これまでの北朝鮮のミサイルに比べて強力な破壊力を持つものと見られており、韓国軍当局が対策に苦心している。
関係当局の分析によると、KN-23改良型ミサイルの2.5トン弾頭に数百個以上の子弾を持つ拡散弾を装着すると、直径1キロメートル以上にも及ぶ地域を焦土化できるという。これはサッカー場約150面分に達する広さだ。慶尚北道星州郡にある在韓米軍の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)基地の6つの発射台や支援施設などをたった1発で無力化できるということだ。
韓米両国軍の地下指揮バンカーなどを破壊するため、地下貫通弾頭を装着した場合は、地下数十メートルを貫通して破壊できるものと分析されている。ソウル市内の合同参謀本部や鶏竜台(忠清南道鶏竜市)の陸海空三軍統合本部の地下バンカー(指揮統制室)などはそれほど地下深くにないため、簡単に無力化できるものと見られている。「北朝鮮版玄武-4」は戦術核弾頭も十分搭載可能だと思われる。しかし、戦術核弾頭ではない従来の弾頭を搭載するにしても、韓国軍にとって頭の痛い新たな脅威が登場したと指摘されている。